■「夕焼け独占かよ」階段からの眺望が消失に悲しみの声
東京の下町情緒を残す人気スポット「谷中銀座商店街」。その入り口にある階段「夕焼けだんだん」は、その名の通り美しい夕焼けと商店街を一望できる場所として親しまれてきました。
しかし今、その景色が大きく変わろうとしています。
X(旧Twitter)に投稿された一枚の写真が、ネット上で物議を醸しているのです。
話題となったのは、あるユーザーによる投稿です。
「夕焼けだんだん」の階段脇に建設中のマンションが、空を大きく遮っている様子を写した写真とともに、「夕焼けはもう見えない」という悲痛な叫びが綴られています。
この投稿は瞬く間に拡散され、2万8000件以上のいいねを獲得。
「名所を潰して金儲けか。無粋すぎる」「『夕焼けだんだん』という名前が泣いている」「ここに住む人は夕焼けを独占できていいですね(皮肉)」といった、景観破壊を嘆く声が殺到しました。
特に批判を集めているのが、当該マンションのPR文言にある「夕やけだんだんに寄り添う住まい」というフレーズ。
「寄り添うどころか破壊している」「元の景観を壊しておいて『変わらぬ街』とは?」と、開発側の姿勢に疑問を呈する声も多く上がっています。
■「地権者の権利」擁護や現実的な声も
一方で、冷静な意見も見られます。
「地権者が許可を得て建てている以上、法的には問題ない」「人口が増え続ける東京では住宅供給も必要」といった現実的な指摘や、「景観を守りたいなら、京都のように条例を厳しくするか、有志で土地を買い取るしかない」という、制度面の課題を挙げる声もありました。
一度失われた景観は、元通りに戻すのは難しいでしょう。「情緒」と「開発」のバランスをどう取るべきか。変わりゆく東京の風景に、多くの人が複雑な思いを抱いているようです。
(LASISA編集部)

