妻の満足度60%超え!「タイパ意識」が夫婦の協力体制を後押し

(写真はイメージです)
東京都が2年ごとに実施している「男性の家事・育児参画実態調査」。先日発表された2025年度調査の結果からは、なんと男性が家事や育児にかかわる時間がぐんと伸び、夫婦間の家事・育児の時間差が前回からの「5時間26分」から67分も短い「4時間19分」になったことがわかりました。
特に、女性の家事・育児時間が大きく減っているのが特徴です。

東京都「男性の家事・育児実態調査2025」より
さらに、妻側から見た「夫婦間における家事・育児分担への満足度」も2023年の48.0%から12.1ポイント増え、過去最高の60.1%にアップ!
どうしてこんなに家事・育児時間に関する改善が進んだのかというと、有識者の分析は次の通り。
タイパ・コスパ重視の時代になり、「やるべきこと」自体をスリム化する夫婦が増えているのだとか。さらに共働き家庭数も過去最高となり、同時に“ワンオペ育児”も減ってきて女性側の負担感が軽減されたというわけです。
以前に比べ正社員や管理職としてバリバリ働く女性が増えたことで、外食やお惣菜の活用、お掃除ロボットや自動調理家電などの導入、さらには家事代行サービスの利用も進み、積極的に家事をアウトソーシングする傾向にあるようです。

東京都「男性の家事・育児実態調査2025」より
ちなみにこうした変化に対し妻側の満足度が高い理由として、「夫との家事・育児時間の差が縮まったこと」、そして「夫が育児にコミットしている」ことが挙げられています。
パパががんばっている姿はママの気持ちを上げ、「私ばっかり」という不公平感をなくすんですね!
要注意! 夫婦の笑顔を奪う「3つのコミュニケーションギャップ」
しかしまだ安心するなかれ。同調査によれば、家事・育児を負担する時間差は縮まったものの、夫婦のコミュニケーションにはまだまだ大きなズレが潜んでいるのだとか。この「3つの壁」を壊さないと、せっかくの良い状況が台無しに!
ギャップ① 夫は伝えたつもり、妻は「いつだっけ?」
まずは夫婦円満の鍵となる「感謝の言葉を伝える/伝えられる」の頻度で、大きなすれ違いが見つかりました。
伝える頻度: 夫も妻も「毎日伝えている」が1位。
伝えられる頻度(夫):「毎日伝えられている」が1位。
伝えられる頻度(妻):まさかの「いつ伝えられたかわからない」が1位!
夫は毎日「ありがとう」を言っているつもりでも、妻には届いていないという残念な結果に……。
ちなみに、感謝を伝えない理由の1位は、男性が「気恥ずかしいから」、女性が「家事育児をやるのは当たり前だから」というもの。価値観の押し付けや照れが、夫婦の愛情表現を妨げているのかも。

東京都「男性の家事・育児実態調査2025」より
ギャップ② 妻が一番やってほしい「名もなき家事」
家事分担で妻が最も分担してほしいと望んでいるのが、シャンプーや洗剤などの詰め替え作業や、調味料の残量チェックなどのいわゆる「名もなき家事」です。
認知度の差:妻の8割が「名もなき家事」という言葉を知っているのに、夫はたったの5割しか知らない!
行動の差:「名もなき家事」を知っている男性は、知らない男性より家事・育児時間が1日約50分長い
「これ、誰がやるんだっけ?」と家事リストにも載らないような細々とした雑用こそ、妻の負担感を爆上げする要因。知らなかった男性陣はまず「名もなき家事」を検索してリストアップすることから始めましょう!
ギャップ③ がんばっても報われない! 夫の不満は「ダメ出し」の嵐
家事・育児に積極的に取り組む夫が、妻に対して抱える不満もリアルです。自由回答欄にはストレスをためた夫からの意見が続々!
「家事をやっても文句や口出しされることばかり」
「やり直しを求められる」
「感謝されない/何も反応してもらえない」
「せっかくやったのに、ダメ出しばっかり……」と、夫の意欲を削いでしまう言葉や態度は要注意。妻側も、夫のやり方が違っても、まずは感謝の気持ちを伝え、具体的な改善点だけを優しく伝える工夫が妻側にも必要かもしれません。
