
鈴木保奈美、岸谷五朗、鈴木京香、佐藤浩市らの出演するドラマ「恋人よ」(1995年、フジテレビ系)がFOD・TVerで第1話ほか最新話を3日に1話ずつ配信中である。今から30年前に放送された、男女の交わり合う愛、生と死を描いたドラマチックなラブストーリー。感動的な最終話となる第9&10話を紹介する。 (以下、ネタバレが含まれます)
■自暴自棄になった航平が愛永と別れを予感する
本作は、結婚式の1時間前に出会った愛永(鈴木保奈美)と航平(岸谷)が、それぞれの伴侶である遼太郎(佐藤)と粧子(鈴木京香)との結婚生活を続けながら、密かに想う本当の気持ちを探し出していく物語。セリーヌ・ディオン with クライズラー&カンパニーの主題歌『To Love You More』も人気となった。
第9話。航平と教え子・美緒(水野美紀)の関係を目撃した愛永は、立ちくらみするほどの衝撃を受けるが、いまさら航平を責める気はない。航平と愛永が、以前に住んでいた家を見に出かけてばったり顔を合わせた日、航平は愛永との最後の別れを予感する。翌日、学校側から美緒との関係を追及されたときも、簡単に辞表を出す心境に。そして少年サッカーのコーチになる。
■愛永が救急病院へ…その後初めて会った場所で航平と再会
その後、愛永は銀座の店で貧血性のめまいに襲われた。やってきた美緒と喋っているうちに倒れ、救急病院へ。血液の病気が悪化したのだ。愛永は、三浦海岸の療養所に入ることになる。その前に粧子と遼太郎は1年前の結婚式の日、4人の関係が始まったホテルの部屋に愛永を案内した。遼太郎が航平を迎えに出かける。
■天国へと旅立つ日まで…美しく生きた愛永
そして最終話の第10話。遼太郎や美緒に勧められた航平は、ホテルの771号室へ。待っていた愛永に「結婚してくれ」と手を差し伸べたが、明け方、愛永の姿は消えていた。航平は捜しまわるが、そのころ愛永は三浦海岸の病院に入院していた。
2日後、かつて住んでいた庭の木の黄色いハンカチから手掛かりに気がついた航平は、私書箱の愛永の手紙で病気のことを知る。それから、愛永と航平との闘病生活が始まるが、航平は医師から「覚悟してくれ」と告げられてしまう。やがて訪れたクリスマスイヴの夜、多くの看護師たちや遼太郎一家に見守られながら、愛永と航平は挙式をした。
第8話までは2組の夫婦が、出会うタイミングや運命のいたずらのために本当の相手を見失って傷つけ合うこともあった。しかし、第9話に入ってからは、愛永の病気も進行して、航平は自分の本当に愛する女性は愛永と気付く。そして、命が燃え尽きるその日まで愛永を支えると決め、すべてを捧げて生きる美しい愛が描かれる。
遼太郎と粧子も、愛永と航平のために何ができるかを考え、院内結婚式に駆けつけるなど感動的なシーンが続く。今見ても、愛永を演じる鈴木保奈美は息を飲むほど美しく衝撃的だ。神々しさや菩薩のような微笑みもあり、消えゆく命を懸命に生きる強い女性像を完璧に演じきっている。愛永は、幼い頃の思い出の地でもあり航平と訪れたことがある沖縄に、自分の一部を埋めるよう強く願った。真っ赤なブーゲンビリアが咲き乱れる丘で、最後、航平は愛永の願いをかなえるのだがそのシーンはドラマファンの心に深く刻まれるクライマックスとなった。

