34歳、独身のアイコ。35歳を前に婚活を始めた。会ったのは、5つ年下の29歳、サラリーマン。経歴も見た目もよさそうだったのに、食事の後、1円単位の割り勘を提案されショックを受けた。「男がデート代を出さないのは、脈なし」と同期は言うように、婚活での「おごり・割り勘論争」は意見が分かれるテーマだ。おごられることを当たり前だと思っている女性。「割り勘だとイメージが悪い」と、払わざるを得ない男性。一体、婚活において大事なことは何なのだろうか？今回は、コニシ ナツコ( @natsukoni81)さんの連載漫画「『女はおごられて当然』と思ってる昭和引きずり女が、婚活した話」を紹介するとともに話を聞いた。
■ 「おごり・おごられ問題」で起こる価値観のズレは恋のつまづきにもなるよね
デート代をめぐる価値観は、時代とともに変わり続けている。割り勘が増えてきた一方、婚活では「男性が払うべき」という風潮も残る。その狭間でもがく主人公アイコは、初対面の年下サラリーマン・こうきに割り勘を提案され、やんわりとこうきのおごりを示すが、「同じ量を飲み食いしたのに、2000円？」と返され、互いの感覚が噛み合わないまま会話はこじれていく。
本作「女はおごられて当然」を描いたきっかけについて、作者のコニシさんは「ヒロインのアイコは私です」と明かしてくれた。かつて「絶対におごらない彼」と付き合っていた時期があり、「今思えば馬鹿馬鹿しい気もするんですが、そのことでとても悩んでいました」と振り返り、「彼を理解できたら一石二鳥だなという下心もあって描き始めた」というが、描いている途中に別れてしまったそうだ。
物語のテーマは「古い価値観に縛られた主人公の成長」で、「価値観の違う相手と出会い、自分を見直して自立していく女性の姿を描きたかった」と話してくれたコニシさん。しかし、成長前のアイコは読者をいら立たせる可能性があるため、彼女の「ダメさと魅力」のバランスが難しいと教えてくれた。さらにコニシさんは「2人がぶつかるポイントはなかなかリアルなのでは」と語り、小さなエピソードにも注目してほしいと話す。
「おごり・おごられ問題」は、SNSで度々炎上する現代だからこそ刺さるテーマだ。価値観のズレに戸惑う経験のある人なら、きっとアイコの姿に重ねる瞬間があるはず。続きが気になる人は、ぜひ読んでみてほしい。
取材協力：コニシ ナツコ(@natsukoni81)
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