逃げるように実家へ
翌日、夫と義母が起きる前に荷物をまとめ、逃げるように実家へ向かいました。実家の母は、私のやつれた顔を見て、心配しながら迎え入れてくれました。
「愛子、どうしたの。陸人くん、大きくなったわね」
一通り話を聞いた母は、険しい顔で言いました。
「あり得ない。そんな話、どうかしてるわ」
母の言葉は、私の心を解きほぐしてくれるようでした。
「お母さん、私、どうしたらいいか分からなくて…」
「愛子。自分と、陸人くんのことを考えて」
母は私の手を握りしめました。
「離婚だって、選択肢に入れてもいい。あなたは十分に頑張った」
私は堰を切ったように泣き出しました。誰かに「頑張った」と言ってもらえたことが、どれほどうれしかったか。
「陸人からお父さんを奪うのはかわいそうかなって…」
「子どもはね、笑っているお母さんと一緒にいるのが一番幸せなのよ。私もついてるんだから大丈夫よ」
私は意を決して尋ねました。
「もし離婚したら、帰ってきてもいいの?」
母は迷いなく言いました。
「当たり前、それが実家でしょう?」
母との会話で、私の気持ちは固まりました。もう、義母の理不尽と、それに無関心な勝也に振り回されるのはおしまいです。
あとがき:「親子の縁」という名の鎖を断ち切るために
義母のウソによって、夫は愛子さんとの夫婦の愛よりも、母からの依存と束縛を選んでしまいました。
しかし、愛子さんは実母の「笑っているお母さんと一緒にいるのが一番幸せ」という言葉は、理不尽に耐え続ける義務から解放される「鍵」となりました。愛子さんは、陸人のためにも、自分自身の尊厳を守る道を選ぶことにします。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

