●社会的評価を下げる事実の摘示があるか(上の「1」)
本件で問題となっている立花氏の発言は、YouTubeで行われており、「公然と」といえます。
また、元社員の男性について「犯罪者」などと発言したことは、元社員の男性が不動産取引において脅迫や犯罪行為、証拠隠滅といった違法行為をしたとの印象を与えるものであり、社会的評価を下げるといえますので、事実の摘示にあたると考えられます。
●「真実性の証明」はできていないと判断された(上の「2」)
次に、社会的評価を下げる事実を摘示しても、その行為が「公益性のある事実について、公益目的で発表し、かつ真実である場合」には、例外的に名誉毀損に基づく不法行為は成立しません。
報道によれば、今回の裁判では、立花氏の発言内容のうち、元社員の男性が脅迫して不動産売買をしようとした旨などの重要な部分が真実であると裏付ける証拠はないと裁判所は指摘したと報じられています。これは、真実性の証明ができなかったということでしょう。

