今回は、そんな状況に居合わせてしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。
レジでブチギレのおじさん
ある日の会社帰り、真田菜穂さん(仮名・33歳/会社員)は自宅近くのコンビニでレジの列に並んでいました。「すると60代前半ぐらいのおじさんが『なんでバーコード決済が使えないんだ! 電波が全然入らねぇ! この店の作りが悪いんじゃないか? 早くなんとかしろ!』とブチ切れながら、スマホを天井に向けたり入口に向けたりと振り回しながら、イライラした空気をまき散らしていたんですよ」
気の弱そうな20代女性店員さんが「申し訳ありません……現金かカードのお支払いもできますが」と震える声で提案しましたが「うるさい! 財布を持ってこなかったから困っているんだ! 見たら分かるだろうが! バカなのか!」とおじさんは鬼の剣幕で、さらに大きな声で怒鳴り出したそう。
「店員さんはみるみる涙目になって本当に気の毒でした。助けてあげたい気持ちはありましたが、私もそのおじさんの異常なキレッぷりにびびって足がすくんでしまい、間に入ってあげる勇気がでなかったんですよね」
後ろで待っていた他のお客さんもため息をついたり、中には苛ついた顔で時計をチラチラ見ているサラリーマンの姿もあり、店内は最悪の雰囲気に。
そこに颯爽と現れた高校生
「すると制服を着た高校生男子が列の後ろからスッと現れて『すみません、自分のスマホからテザリングでWi-Fi飛ばせますよ。もしよかったら繋いじゃってください』とブチ切れおじさんに笑顔で話しかけたので、私はビックリして思わず『えっ?』と声が漏れてしまいました」
おじさんは「テザ……?」とちんぷんかんぷんな様子でしたが、高校生男子が「スマホをWi-Fiに接続できるんです。今パスワード出しますね、SSIDはこれで……」と操作方法を分かりやすく丁寧に教えてあげていたそう。「そしたら『おぉ、できた! すごいなコレ』とおじさんは急にテンションが上がって笑顔になり、無事に支払いを済ませると『テザ……なんとか? やってくれてありがとな。助かったよ、お兄ちゃん』とご機嫌にお店を出ていったんですよね」
すると店員さんもお客さんもホッとした表情になり、店内は一気に平和なムードに戻りました。

