飼い主にできること・正しい接し方
激怒症候群の猫に対しては、「叱る」「無理に触れる」などの対応は逆効果です。この症状は性格ではなく、神経や脳の異常によって起きるため、しつけで解決することはできません。
まずは「猫自身もコントロールできない発作である」という理解を持つことが、飼い主としての第一歩です。
攻撃のきっかけを減らす環境づくり
猫が落ち着いて過ごせる静かな空間を確保しましょう。テレビや掃除機など大きな音を避け、他の動物や人の出入りもできるだけ制限します。
特に眠っているときやウトウトしているときは、刺激を与えないことが重要です。
叱らない・刺激しない接し方を徹底する
攻撃行動があったとしても、叱ったり、近づいて制止しようとするのは危険です。発作が起きている間は、目を合わせずにその場を離れ、猫が落ち着くまで待ちましょう。
猫の体調が戻ったあとも、しばらくは優しく声をかける程度に留めてください。
記録をつけて獣医師に相談する
攻撃行動が起きた日時・状況・猫の様子をメモしておくことで、診察時の判断材料になります。できればスマートフォンで動画を撮影できると、発作か行動問題かを見分けるヒントになります。
動物病院では、神経学的検査や血液検査、CT・MRIなどによって、脳や神経の異常がないかを確認します。
まとめ
激怒症候群は、猫の性格ではなく脳や神経の異常によって起こる発作的な行動です。突然の攻撃に驚くかもしれませんが、猫自身も無意識に反応しており、苦しんでいる状態です。
大切なのは叱ることではなく、原因を理解して冷静に対応すること。刺激を避け、静かな環境を整え、発作の様子を記録して獣医師に相談しましょう。
攻撃の後に穏やかな状態を取り戻すのは、猫が本来の性格に戻った証拠です。「怒っている」ではなく「助けを求めている」――そう受け止めることで、再び安心できる関係を築くことができます。

