BUDDiiS森愁斗、繊細な歌声を持つアーティストから“怪演”俳優まで…観る者を惹きつける“変幻自在な姿”

BUDDiiS森愁斗、繊細な歌声を持つアーティストから“怪演”俳優まで…観る者を惹きつける“変幻自在な姿”

BUDDiiS森愁斗
BUDDiiS森愁斗 / 撮影=山田大輔

BUDDiiSのSHOOTとしてグループ活動を行いながら、俳優業ほかマルチに活躍する森愁斗。歌とダンスはもちろん、「MISS KING / ミス・キング」(ABEMA、Netflixにて配信中)での嫌味ったらしい役どころなど演技力も注目が集まっている彼の魅力を紹介する。

■初演技から豊かな感情表現

森はもともと、すでに芸能界入りしていた実兄の森英寿の影響で、兄と同じスターダストプロモーションに所属。MORRIEとして活動する兄と同じく、現在9人組のBUDDiiSのメンバーとしてリードボーカルとダンサーを担当している。

森の歌声は繊細でいて伸びやかで、非常に気持ちよさそうに歌うので見ているほうも気持ちが高揚してくる心地よさがある。ダンスもたおやかで美しく、指先まで神経を配っているのが伝わってくる。爽やかな楽曲を丁寧でなおかつ華やぎも添えて見せるパフォーマンスが印象的だ。

そんな彼の俳優業にも注目したい。森の本格的な俳優デビューは「君の花になる」(TBS系)。同作は元高校教師の主人公・あす花が、崖っぷちの7人組ボーイズグループの寮母となり、一緒に「トップアーティストになる」という夢に向かって奮闘する様子を描いている。劇中のボーイズグループ、8LOOMは期間限定でグループ活動も行い、社会現象を巻き起こすほどのブームとなった。

森が扮するのは8LOOMのメンバーである、優しくて甘えん坊な竜星。驚くほど鼻が利き、人の気配を察する能力のある竜星は、森のどこかミステリアスな雰囲気に絶妙に合っている。壁にぶち当たったメンバーを励ますシーンで、メンバーの心に寄り添って感情を昂らせていく竜星は必見。徐々に目に涙が込み上げてきて、声を震わせる彼に否が応でも心鷲掴みにされる。

森は本格的な演技が初めてのはずなのだが、この竜星には目を見張った。驚くほど確かな演技力で、キャラクターに深みを与え、物語を一段と引き立てることに成功している。


その後、森は映画「バトルキング!!」シリーズに出演。不良少年がダンスや仲間と出会って夢に向かって進んでいく本作で、森はアウトローな男の魅力を披露。「君の花になる」とは真逆と言っていいほどのワイルドなキャラクターで、底しれないゾッとさせる空気をまとって見せた。本当に同一人物なのか?森愁斗ってもう1人いるのでは?と思うような変容に驚かされる。

ドラマ「御上先生」(TBS系)にも出演し、こちらでは明るく前向きな高校生を好演。社会派要素を入れ込んだ学園ドラマで、重く堅い傾向にある本作の一服の清涼剤といった存在。彼のおおらかな笑顔には救われる思いがした。


■「MISS KING」では屈折した青年役で新境地

そして、ここへ来て森は「MISS KING / ミス・キング」に出演し、話題を呼んでいる。本ドラマはのん主演による将棋界を舞台に描いたヒューマンドラマ。天才棋士の父・結城彰一(中村獅童)から母とともに捨てられた飛鳥(のん)は、彰一に愛憎を募らせながら、史上初の女性棋士になるべく突き進んでいく。森が演じるのは飛鳥の異母姉弟である龍也だ。
(C)AbemaTV,Inc.


母を病気で失い、家賃も滞納するほどの貧しい暮らしを送り、みすぼらしい身なりの飛鳥とは対比的な役どころだ。豪奢な邸宅で暮らす身綺麗なお坊ちゃんで、飛鳥に冷酷で冷ややかな態度を取るスノッブなキャラクター。特に、龍也が盗難の容疑で捕まった飛鳥の面会に来るシーンは必見だ。

「よっぽどお金に困ってたんですか、盗難なんて」と龍也は嘲笑を浮かべて飛鳥を煽り、「結局正義なんてものは全部駆け引きです。俺ならあなたをここからすぐに出せますよ」と豪語。今後、彰一と結城家に一切関わらないという条件を提示する。そのふてぶてしくも嫌味ったらしい態度は憎らしさを感じさせるほどだ。

しかし、この演技こそが視聴者に飛鳥を応援させる力となり、本作の肝となっていると言っても過言ではない。森はその重要な役割を楽しんでいるかのような余裕も感じさせながら力演を見せている。
(C)AbemaTV,Inc.


さらに終盤では、龍也の図太さから一転したか弱い脆さをもさらけ出す。あんなに憎らしかった龍也に、思わず哀れみを感じずにはいられない。観る者の感情を揺さぶる森の巧妙な演技には、改めて唸らされる。

森はインタビューで演技について、役者の面白さは自分以外の人物に入り込むことで、観ている人の感情を動かしたり、感動させたり、背中を押したりすることにあると話している。自分自身では経験できない感情や状況を演じることで、視聴者に何かを届けられる瞬間こそが、役者としての醍醐味だと考えているという。

繊細さと力強さを兼ね備えた森の演技は、ただの表現にとどまらず、視聴者の感情を動かす原動力となっている。役者として見せる多彩な表情と深みは、今後も注目を集めるに違いない。

加えてBUDDiiSは、12月に約2年半ぶりとなるファンミーティングの開催が決定。さらに2026年からはソニー・ミュージックレーベルズとタッグを組んで活動を本格化させ、2月から全国9都市でのホールツアーがスタートする。グループとしての勢いが一層加速し、ファンの期待も高まっている。

俳優業とグループ活動を並行して行うことで磨かれる表現力が、森愁斗の可能性をさらに広げていくだろう。
◆構成・文=入江奈々
森愁斗が「BUDDiiS」の岡本聖哉、大槻拓也と行った「MISS KING / ミス・キング」ウォッチパーティー
森愁斗が「BUDDiiS」の岡本聖哉、大槻拓也と行った「MISS KING / ミス・キング」ウォッチパーティー / (C)AbemaTV,Inc.





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