
お笑いコンビ・かが屋(加賀翔、賀屋壮也)主演のホラーミステリーシリーズ『この動画は再生できません3』が、BS12 トゥエルビにて11月30日(日)よる9:30より放送スタートする。また、新作公開に合わせて、過去シリーズも10月から放送中。フェイクドキュメンタリー(モキュメンタリー)の手法を用いた生々しい恐怖を描いた前半パートと、後半は巧みな伏線が散りばめられた謎解きパートの2層構成で人気を博す本作が、ファン待望の続編を迎える。シーズンを重ねるごとに深まる作品の魅力、そしてホラーの現場とは思えない和やかな撮影の裏側について、主演のかが屋の二人に話を聞いた。
■「終わりもあるなと…」続編決定の喜びと、芸人仲間からの意外な反響

ーーシーズン3の制作決定、おめでとうございます!まずは率直な今のお気持ちをお聞かせください。
賀屋:めちゃくちゃ嬉しかったですよ。やっぱり、映画までやっちゃったら、終わり感がすごいじゃないですか(笑)。続くかもしれないというお話はスタッフさんから伺っていたんですけど、正直、これで終わりもありえるなと思っていたので。やりたい気持ちはずっとありましたから、スケジュールに撮影の日程が入ったときは、もう本当に嬉しかったです。
加賀:シリーズが続いていくのは本当に嬉しいですね。出る側として、というよりも、単純に視聴者として「この続きはどうなるんだろう」「また新しいシリーズが見られる」という喜びの方が大きかったです。
ーーこれまでのシーズンの反響はいかがでしたか?
賀屋:芸人仲間からも「面白いね」ってよく言われますし、先輩が他の人に薦めてくれることもあります。ホラー好きの方からすると、もしかしたらそこまで怖くはないのかもしれないですけど、「でも面白かった」と言ってもらえるのがすごく嬉しいですね。
ーーホラーでありながら、ミステリーやコメディの要素も強い、不思議な魅力のある作品ですよね。
賀屋:本当にそうですね。「怖いの?怖くないの?笑えるの?」っていう(笑)。いろんな要素が詰まっています。
加賀:後半の編集室での謎解きパートは、もはや僕らのコントみたいになっているかもしれません(笑)。
■“天才”ともいえる敏腕編集者江尻(加賀)と明るい幽霊(賀屋)、かが屋だから生まれたハマり役

ーー加賀さん演じる編集者・江尻の天才的な推理力と、賀屋さん演じる幽霊・鬼頭のコミカルなキャラクターが印象的です。
賀屋:僕はもう「幽霊3年生」ですからね(笑)。でも、ただのお化けじゃなくて、人間味のあるキャラクターなので演じやすいです。
ーーお二人のキャラクターがとっても“ハマってる”と思うのですが、いわゆる「あて書き」(※出演タレントに合わせて台本を作るやり方)だったのでしょうか?
賀屋:監督が元々僕らのことを好きでいてくださって、「合うんじゃないか」と思っていただけたみたいです。ありがたいですね。
加賀:監督は本当にお笑いが好きで。企画段階では一度断ろうかとも思ったらしいのですが、「主演がかが屋なら」ということで引き受けてくださったと聞いて、本当に嬉しかったです。

ーー限定的な空間、ワンシチュエーションでの二人芝居が見どころでもある本作ですが、演じる上での苦労はありましたか?
賀屋:それが、すごく楽しくやらせてもらっていて。というのも、監督が僕らのことをよく分かってくれていて、「あ、やりすぎ」とか絶妙なタイミングでコントロールしてくれるんです(笑)。僕、すぐ調子に乗っちゃうみたいで。そこは本当に監督の手腕に助けられています。
加賀:シーズンを重ねて、監督やカメラマンさんとの信頼関係もできているので、僕らにできる範囲を理解した上で演出してくれるんです。もう、お任せしているような感じですね。カメラマンさん自ら、僕らだけでは思いつかないような、顔の角度やトーンの抑揚といった細かい工夫をたくさん提案してくださって、作品が成り立っています。
■「練習のこと“ネタ合わせ”って言っちゃってます」…コントと芝居の境界線とは

ーーお二人の息の合った掛け合いは、やはりコントで培われたものなのでしょうか?
賀屋:それはあると思います。普通のドラマだと、練習相手がいないので“よそ行き”の演技になっちゃうこともあるんですけど、この現場は相方となので。練習、というか自然と“ネタ合わせ”になってますね(笑)。
加賀:台本を読んで撮影しているというより、スタッフさんを前にネタ合わせをして、ウケるかウケないか試している感覚に近いかもしれません。
ーーお笑い芸人の方は演技が上手な方が多いですが、ご自身ではその理由をどう分析されますか?
加賀:お笑い芸人って、お客さんを笑わせるために「振って、落とす」ということをするんです。つまり、オチの前にみんなに同じ方向を向いてもらうための「振り」が上手なんですよ。それって、お芝居で「これから怖いことが起きるぞ」とか「この人は怪しいぞ」と思わせる感覚と似ているのかもしれないです。みんなに同じ感情を共有してもらう、という脳みそが発達しているんでしょうね。
■カメラマン、漫画家、映像制作…クリエイターとしてのかが屋の未来
ーーこの作品では、加賀さん演じる江尻が映像制作に情熱を燃やしていますが、お二人が今後挑戦してみたいクリエイティブな活動はありますか?
賀屋:僕は絵を描くのが好きなので、漫画を描いてみたいですね。インスタグラムにも少し載せているんですが、もっと上手くなりたいです。漫画家さんにはちっちゃい頃から憧れているので。
加賀:僕は、こういう現場に来るたびに、自分で映像作品を書いてみたいなと思います。もちろん、逆算してスケジュールを組んだり、予算を考えたり、水面下での作業がものすごく大変なのは分かっているんですが…。それでも、自分が関わった作品が世に出て「面白い」と言ってもらえる喜びは、何物にも代えがたい。いつか挑戦してみたいですね。
ーー加賀さんは写真家としてもご活躍ですが、写真と文章を組み合わせたフォトエッセイなども面白そうです。
加賀:いやあ、苦手なんですよね、文字を書くのが(笑)。でも、撮り溜めたものはたくさんあるので、いつかやらなきゃな、とは思っています。写真家としても芸人としても、多分もう逃げられない道なので。クソポエムエッセイになるかもしれませんが(笑)、その道も考えてみます。
■シーズン3から見ても楽しめる!視聴者へのメッセージ

ーー最後に、シーズン3を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。
賀屋:元々見てくださっている方には、「ああ、また面白いのが戻ってきた」と安心して見ていただけるものになっていると思います。そして、まだ見たことがないという方も、シーズン3から入っていただいて全く問題ありません。もし気に入っていただけたら、シーズン1、2、そして映画版と、たっぷり楽しめる時間が待っています!
加賀:単体で見ても、通して見ても面白い作品です。この記事を読んで少しでも気になった方は、どのシーズンのどの回でもいいので、まずは1話だけでも再生してみてほしいです。合う人には絶対にハマってもらえる自信があります。ぜひ、この独特な世界観を楽しんでください。

