父の決断
それから日が経たないうちに、私は用事のために実家に立ち寄った。お金の問題について、私の中では解決していなかったけれど、両親には心配をかけさせまいと黙っていた。
お茶を飲み終え、実家を出ようとした時だった。父がふと私に訊ねてきた。
「そういえば、健太に貸したお金はちゃんと返ってきたか?」
心が見透かされたようで驚いたけど、同時に嬉しくもあった。諦めかけていた問題に光が当たり、グッと胸が熱くなった。私は両親に、貸したお金の現状を正直に相談した。
「そうだったのか。悩ませてすまなかった……俺に考えがある」
ひと通り話し終えると父は深々と私に頭を下げた後、そう言った。凛々しい父の表情に、諦めかけていた私の中に、期待が灯った―――。
あとがき:父、立つ
結婚式という「祝い事」を理由に、返済しない選択肢を当然のように語る義妹。「借りたものは返す」という当たり前を揺るがす言葉に、美雪は深い無力感を覚えます。しかし、その姿を見逃さなかった父が動き出し、事態は思わぬ方向へ。
そして、この“父の一手”が、弟夫婦の態度にも変化を促すきっかけになるのです。身内だからこそこじれるお金の問題。いよいよ反撃が始まるようです。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: tenkyu_writing
(配信元: ママリ)

