安心して内視鏡を受けるために知っておきたいこと
編集部
内視鏡検査を受けるとき、鎮静剤を使用することが勧められる人はどのような人でしょうか?
柏木先生
鎮静剤の使用は、医師・医療機関の判断と患者さんの希望に応じて決定されます。そのため、メリットとデメリットを理解したうえで判断されることをおすすめします。医師の立場から、鎮静剤の使用をおすすめするケースとしては以下の通りです。
・過去の検査で苦痛が強かった方
・初めての検査で不安が強い方
・嘔吐反射が強い方や痛みに過敏な方
・ポリープ切除などの治療的処置が見込まれる方
編集部
反対に、鎮静剤の使用が不要あるいは避けるべき人はどのような人でしょうか?
柏木先生
下記に当てはまる方は、鎮静剤の使用を避けるべきであると考えられます。
・これまで鎮静剤なしで問題なく検査を受けられた方
・検査中に画像を一緒に見たい希望がある方
・重い呼吸器疾患、極端な低血圧、鎮静薬へのアレルギー歴、高齢などを理由に、鎮静剤による合併症リスクが相対的に高い方
・当日車の運転を予定している方
編集部
痛みに不安が強い人や過去につらい経験がある人は、検査前にどのような点を相談すべきでしょうか?
柏木先生
率直に医療従事者へ伝えることをおすすめします。鎮静剤の効果には個人差があり、過去に使用しても十分な効果が得られなかった方もいます。施設によっては、軽いリラックス目的の投与や、安全を考慮した最小限の投与など、使用方針が異なります。痛みを感じやすい、鎮静剤が効きにくいといった情報は、検査を安全かつ快適におこなうために重要です。また、鎮静剤の投与量は血圧、酸素飽和度、基礎疾患、年齢、体格などによって調整されます。血圧が低い方や心臓や呼吸器の重い病気がある方、高齢の方などは、使用量が制限されることがあります。鎮静剤は効果が切れるのが比較的早いため、検査中に目が覚めたり痛みを感じたりした場合は、遠慮なく医師や看護師に伝えてください。状況によっては追加投与が可能です。
編集部
無痛での内視鏡検査を導入している医療機関を選ぶ際、注目すべきポイントはありますか?
柏木先生
快適かつ安全に検査を受けられる環境かどうかを総合的に見極めることが大切です。内視鏡検査はクリニックまたは病院で受けられますが、鎮静剤を使用した検査に施設が慣れているかどうかは、内視鏡検査を専門的におこなっているかどうかに直結します。内視鏡専門医の在籍や鎮静剤の使用状況がホームページで明記されているか、検査件数なども参考になります。また、入院治療や精密検査が必要となった際に、専門病院や高次医療機関へスムーズに紹介してもらえる体制が整っているかも重要です。患者さんの来院数や連携医療機関の多さも、施設の信頼性を判断する材料になります。ホームページには、検査の流れや設備、取り組みなどが詳しく掲載されていることが多いため、事前に確認しておくと安心です。
編集部まとめ
内視鏡は痛いから受けたくないと思う気持ちは自然ですが、無痛での検査技術が広がった今、必要以上に恐れる必要はあまりないということを教えていただきました。苦痛を減らし、安心して受けられる環境を選ぶことが、健康を守る第一歩につながることを改めて学ぶことができました。本稿が読者の皆様にとって、検査に対する不安を和らげ、前向きに受診を検討するきっかけとなりましたら幸いです。

