「髄膜炎は原因によって治療」が異なる?治療法・予防法を医師が解説!

「髄膜炎は原因によって治療」が異なる?治療法・予防法を医師が解説!

髄膜炎は、脳を覆う髄膜と髄膜に流れる髄液に炎症が起きる病気です。

決して高い確率ではありませんが命に関わるケースもあるため、髄膜炎について理解し適切な治療を迅速に行うことが大切です。

そこでこの記事では、治療方法・予防など髄膜炎について詳しく解説いたします。

万が一に備え、髄膜炎がどのような病気なのか理解を深めていきましょう。

※この記事はメディカルドックにて『「髄膜炎」とは?症状・原因・検査についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

中路 幸之助

監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

髄膜炎の治療と予防

髄膜炎の治療と予防

髄膜炎の治療方法を教えてください。

治療は、原因となる病原体に応じた抗菌薬・抗ウイルス薬・抗真菌薬を投与していきます。

また、症状を緩和するための鎮痛剤・解熱剤・抗てんかん薬などを投与する場合も多いです。

ウイルス性か細菌性かによっても治療は異なり、重症化しやすい細菌性髄膜炎が疑われる場合は細菌培養の検査結果を待たずに治療を開始するケースもあります。

原因によって治療が異なるのですね。

髄膜炎は、様々な原因によって引き起こされる病気です。そのため、原因によって治療内容は異なります。まず、適切に治療を行うためにもウイルス性なのか細菌性なのか原因の特定が重要です。

そのために培養検査を行いますが、細菌性髄膜炎は急速に症状が進行するケースも少なくありません。細菌性による重症化のリスクが疑われる場合は、培養検査を待たずに抗生剤を使用するケースも多いです。

治療を早くしなければならない細菌性髄膜炎の診断のポイントとしては、見た目が膿性・髄液中の糖が低い・乳酸値が高値が挙げられます。これらに当てはまる場合は、細菌性髄膜炎の可能性が高いです。

細菌性髄膜炎だと判明した場合は、抗生剤の点滴を中心に集中的な治療を行います。原因がはっきりわからない場合や抗ウイルス薬がないウイルスが原因の場合は症状を和らげる対症療法のみ行う場合もありますが、細菌性髄膜炎を含め髄膜炎の治療として、抗菌薬投与開始時または開始前よりデキサメタゾンなどのステロイドの点滴を併用するケースが増えています。

髄膜炎の予防方法はありますか?予防接種についても教えてください。

発症の原因は、細菌・ウイルスの感染がほとんどです。そのため、なんらかの感染症を発症した場合は、早めに適切な治療を行いしっかり治すことが予防につながります。

副鼻腔炎・中耳炎などの脳・髄膜に近い部位での病気も、しっかり治すように心がけましょう。また、リスクが高い細菌性髄膜炎の原因の約80%はヒブ・肺炎球菌です。

これら2つの細菌は、予防接種によって予防できます。ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンの接種が、細菌性髄膜炎の予防として効果的です。

最後に、読者へメッセージがあればお願いします。

髄膜炎は、決して致死率が高い病気ではありません。しかし、症状が進行すると重度の症状に苦しむことになりますし、原因によっては死に至ることもあります。場合によっては後遺症が残り、日常生活に支障をきたす場合もあります。

一方で、髄膜炎は原因にもよりますが、早期発見・早期治療で重症化を回避できる病気です。

頭痛・高熱・嘔吐、そして首の硬直という特徴をしっかり理解し、疑わしい場合は迅速に診察を受けましょう。また、リスクの高い細菌性髄膜炎を予防するためにも、ワクチンの定期接種はしっかり受けましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ
髄膜炎は、誰でもなる可能性がある病気です。

病気の原因によっては重度の症状・後遺症・命に関わるケースもあるため、決して軽くみてはいけない病気といえるでしょう。

しかし、適切な処置を迅速に行うことで、早期の治癒が可能なケースも多いです。

髄膜炎から体を守るためには、予防のためのワクチン接種、そして早期発見・早期治療が重要な鍵となります。

そのためにも髄膜炎に対する理解を深め、怪しい症状がみられる場合は早めに診察を受けるように心がけましょう。

参考文献

髄膜炎(ずいまくえん)|済生会

2.細菌性髄膜炎の転帰・後遺症|日本神経学会

重篤副作用疾患別対応マニュアル|厚生労働省

配信元: Medical DOC

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