わが家の息子たちは小学6年生と2年生。通っている小学校には登校班があり、同じマンションの子どもたちがロビーに集まって一緒に登校します。
その日、私は月に1回まわってくる引率係の当番でした。登校班の出発を見守ることが役割です。そこで、ある珍事件に遭遇して……。
「不審者！？」エレベーター内で激しく踊る女性
引率係の私は、息子たちと一緒に集合時間の10分前にロビーでスタンバイしていました。次々に子どもたちが集まり、ロビーの机で折り紙をしたり、残っていた宿題を片付けたりと、それぞれが出発までの時間を過ごしていました。
集合5分前にはほとんどの子どもがそろっていましたが、1年生の男の子だけがまだ来ていません。遅刻の連絡も入っていなかったため、少し心配になりました。
ロビーには、エレベーター内を映す防犯カメラのモニターがあります。
「確かあの子の家は4階だったな」と思い、私と数人の子どもたちで「まだかな？」とモニターを見つめていると……そこには、髪を振り乱して激しく踊る女性の姿が映っていたのです！
一瞬、「不審者が現れたのかも！？」と恐怖を感じました。
しかしよく見ると、踊る女性の傍らには例の1年生の男の子が立っており、うれしそうに女性を見つめています。なんと、ノリノリで踊る女性の正体は、その男の子のお母さん。どうやらロビーまで見送りに来る途中だったようです。
直後、エレベーターの扉が開くと、彼女は何事もなかったようなすました顔で「お待たせしました」と降りてきました。私と一緒にモニターを見ていた子どもたちが、そのお母さんには聞こえないように「さっきの、今はやってるの〇〇ダンスだよ」とこっそり教えてくれました。
普段は真面目そうな雰囲気のお母さんだけに、そのギャップにびっくり。ダンスはかなり練習したであろう完成度でした。すぐに出発の時間になったため、あいさつしかできませんでしたが、子どもを喜ばせるためにカメラの存在も忘れて踊っていたお母さんの姿に、なんだかほっこりと温かい気持ちになりました。
著者：田中さくら／40代女性。2013年、2017年生まれの息子たちのママ。バリスタとしてカフェに勤務。キャンプ、おいしいコーヒーの追求、筋トレが趣味。また、自然の中で外ごはんを食べるのが大好き。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています（回答時期：2025年11月）
※AI生成画像を使用しています
