主人公・萌子から、夫の行動に関するDMを受け取った武内の妻・こずえ。その後、謝罪の場にやってきた武内は、もはや執着どころではない状況で…。
奥さんとの三人での話し合い
武内くんの行動を知ったこずえさんの動きは実にスマートだった。DMでの丁寧な謝罪とともに、お詫びの場として喫茶店を指定し、直接お会いしたいと連絡を得た。
当日、約束の席には、こずえさんと、そしてその隣にびっくりするくらい小さくなっている武内くんが座っていた。
「萌子さん、この度は本当に申し訳ありませんでした」
こずえさんは席に着くや否や、深々と頭を下げた。武内くんは、私と目を合わせようともしない。あの自信満々で、女性の腰を平気でさすっていた男の面影はどこにもなかった。まるで、首輪をつけられた犬のようだ。
「……奥様。お会いいただきありがとうございます」
私は、昨夜送った録音データと、武内が共通の友人を通じて私との接触を試みていたLINEのやり取りのスクリーンショットを見せた。こずえさんはそれを淡々と確認しながら、重い口を開いた。
「うちの夫は以前から浮気癖がひどいんです。何度注意しても治らなくて……次やったら離婚、という段階でした。今回のことは、離婚の決定打です」
離婚は嫌だ!必死なストーカー男
武内くんは、身動き一つせず、ただ俯いている。もはや、私に対する執着どころではないのだろう。自分の人生の存続がかかっているのだ。
私は、奥さんの覚悟と武内くんの情けない姿を見て、冷静になった。私の目的は、彼に自分の非を認めさせ、二度と接触しないと約束させること。彼の人生を破壊することではない。
「わかりました。私は奥様から丁寧な謝罪をいただけたことで、十分です。もう二度と接触しないということだけ、武内くんに守ってもらえたらそれで大丈夫です」
私の言葉に、武内くんは初めて顔を上げ、必死に頷いた。
「もちろんです。二度と絶対に近づきません。本当に、すみませんでした…」
私は、それ以上そこにいる必要はないと感じ、先に店を出た。制裁は、私の手ではなく、彼自身の不誠実さが招いた結果、彼の最も大切な存在によって実行されたのだ。

