
付き合っているのに優先順位が低い、泊まりの翌日は早々に帰宅を促されるなど、どこか彼女になり切れていないことに気づきながらも、面倒な女になりたくなくて本音を我慢し続けてしまう。そんな「2番目体質」な恋愛をしてしまった主人公。
仕事、恋愛、結婚など、さまざまな問題に差し掛かるアラサーの不安定な内面を高解像度で描写し、同世代の女性から多くの共感を集めているヤチナツさん(@11yc4)の「20時過ぎの報告会」を紹介する。
■「つまんなそうにする女はブス」という衝撃



彼氏の友達と一緒に遊んだときに「楽しそうなのはかわいい子ばっかで、つまんなそうなのはブス」と言い当てられるシーンがある。彼氏のために、苦手な彼氏の交友関係にも付き合いの幅を広げようと頑張る彼女に対し、「我慢ばかりして彼氏のほうから歩み寄ることはないのか?」と本質をついた一言が刺さる。
本作を描くきっかけについて、ヤチナツさんは「自分が社会人2年目くらいで彼氏がほしくてむやみに動き回っているときに溜まったストレスの発散と、発見を共有したかったためです」と語る。当初はエッセイ漫画にする予定だったが、感じが悪い内容ばかりになったためフィクションという体裁にしたそうだ。
登場する3人のキャラクター、こはる、りさこ、きみは、自分や周りの友達を組み合わせて作っており、実際に起こったエピソードも当てはめているという。内面の解像度が高く「日本版セックス・アンド・ザ・シティ」のような印象も受ける本作だが、ヤチナツさん自身が内面の機微に興味があり、それを細かく話し合える友達がいることが作品に生かされているようだ。
■結婚や出産へのプレッシャーは「制度のせい」
女性の幸せについて尋ねると、ヤチナツさんは「幸せは各々が勝手に決めればよい」としつつ、結婚や出産を選ばないと一人前ではないとされる風潮は「制度のせい」だと指摘する。
「そのせいで勝手に決められるはずのものが決められない状況になってるのは非常に貧相な社会だと思います。自分の考えや習慣を改めるには制度やシステムを変えなければならないので、こんな疑問に押しつぶされる人がいなくなるように、みんなで意思表示していきたいですね」と語った。
現在第2巻まで刊行されている本作。3巻については「2巻の売れ行きによる部分も多い」とのことで、まずは宣伝と新作を頑張りたいと意欲を見せた。自分らしく生きるためにどうすればよいのか、大人の恋の駆け引きに迷ったときに手にしたい作品だ。
取材協力:ヤチナツ(@11yc4)
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