【誰も傷つけない悪口選手権】
— 松山ケンイチ (@K_Matsuyama2023) November 17, 2025
誹謗中傷が飛び交うSNS時代だからこそ“誰も傷つかない悪口”を。
どうもこんにちは裁判官を日々演じているちょびっと法律家松山です。
さて、SNSでは内容次第で、以下の法律に触れる可能性があります。
・名誉毀損罪(刑法230条)
・侮辱罪(刑法231条)…
Xを含め、松山ケンイチは各種SNSをフレキシブルに使い分ける。そこでは誰もがほっこりするような複数のキャラクターを設定して、気さくに振る舞う。そしてそのキャラはそれぞれまったくブレないのだ。
連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合、2024年)で松山が演じた判事役もまたブレないキャラが最大の魅力だった。男性俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン研究家”加賀谷健が、SNSも演技もブレない松山ケンイチを解説する。
気さくなジューシー“トマト人間”として
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2024年の松山ケンイチの公式Instagram画面をスクロールしていると、何だかやけにあざやかな赤色が目にとまる。その赤色の正体……。2024年8月13日投稿の動画を見てみる。松山が開口一番に言う。「トマト」。赤色の正体はトマトだった。しかも体現止めで強調している。
どうやらトマトが植えられたビニールハウスにいるらしい松山がさらに続ける。「今日は葉っぱがすごいことになってるんで、葉かきしたいなと思ってます」。とある農家から送られてきたトマトジュースの味わいに感動したことがきっかけで、松山は自ら農作業を始めた経緯がある。主にInstagramで画像や動画を投稿しながら、トマトの栽培から収穫までをリポートしている。
動画では「葉かき」と説明しながら、「でもちょっと下のほうが赤くなってきてて、ちょっと食べたいんですよね」と言って松山のアップがインカメで写り、完熟した縦長トマトを口に放り込む。
咀嚼音とともに口いっぱいに広がるジューシーな味わいが伝わってくる。あまりの旨さに松山は目を丸くするのだが、日本を代表する俳優が、SNS上では気さくなジューシー“トマト人間”として振る舞うキャラ立ちが素晴らしい。
朝ドラ『虎に翼』でもキャラがブレない
【命を育む⑮】
— 松山ケンイチ (@K_Matsuyama2023) October 2, 2025
おはようございます。 pic.twitter.com/6fVMZKS9Xs
こうしたトマト人間キャラを確立する松山はとても伸びやかだ。それは2019年から東京と北日本で二拠点生活をするようになった、暮らしのスタイルから得た心の余裕から生まれるものだろうか?トマトの味わいに感動したことが高じて、撮影現場でも自作トマトジュースを振る舞っているらしい。
近年の重要な俳優仕事でも固有のキャラクター性を堅持する名演があった。伊藤沙莉主演の朝の連続テレビ小説『虎に翼』で演じた、孤高の判事・桂場等一郎役だ。司法の独立を信念として、最高裁判所第5代長官にまでなった人物。いつでも口元をへの字に結んで厳めしい表情を崩さない。
厳粛な態度とその佇まいは、書類などをそろりと移動させる手元の動作にまで行き渡る(その微動をつぶさにフォローしてすくい取るカメラワーク!)。
一方で、足繁く通う甘味処・竹もとであんこ団子を食べるときだけは、一人満足気で口元をハの字に緩ませる。伊藤演じる主人公・佐田寅子を除いて、第1回から最終回までキャラが全くブレずに、レギュラー出演を続けた役でもあった。

