他力本願すぎた友人
私はさらに続けた。これは、今まで誰にも言わなかった、私自身の過去だ。
「ずっと言わなかったけど、私だってひとり親家庭で育ったんだ。小学校に上がる前に両親は離婚して、ずっと母と2人だった。母はパートを掛け持ちして、本当に大変だったと思う。でも、母は、どんなに苦しくても、誰かの優しさにつけ込んだりしないで努力してたよ」
奈美子さんの顔が真っ青になった。私のバックグラウンドを知らなかったのだろう。
「私はもう、あなたに手を貸すことはできないから」
彼女は最後まで何か言い訳をしようとしていたけれど、私の強い態度と、私自身の過去の告白に気圧されたのか、最後は何も言わずにごすごと帰っていった。
そのまま、奈美子さんからの連絡は途絶えた。後悔はしていない。大変さはよく分かる。だからこそ、最初は助けようとした。だけど、彼女は途中で完全に「助けてもらうこと」を当然とする他力本願になってしまった。
私は、自分の家族、和樹と怜人との暮らしを守るほうが大事だ。 縁を切ることができて、心からホッとしている。これで、やっと私も、怜人との新しい生活に集中できると思う。
あとがき: 自立と防衛
和樹の「搾取されているだけだ」という言葉は、里美にとって決定的な覚悟を促しました。この対決で里美が奈美子さんに打ち明けた自身の過去は、奈美子さんの「シングルマザーだから優しくしろ」という理不尽な主張に対する、最も強力な反論となりました。
里美の母親は、大変でも他人に頼らず自分の力で生きてきた。その自立の精神こそが、里美が奈美子さんの行動を心から受け入れられなかった理由でしょう。里美は最終的に、友人への同情よりも、自分の家族と心の平穏を守る自己防衛を選び、新しい一歩を踏み出しました。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

