
まげよ(@mageyoozu)さんは2024年8月に「お義父さんが生きた戦時中の記憶」を投稿し、竹書房コミックエッセイ大賞を受賞したエッセイ漫画家だ。義父が幼少期に体験した戦時中の暮らしをリアルに描き、体験者ならではの話が興味深い。本作を描いたきっかけや戦争に対するイメージなどについて、まげよさんにインタビューした。
■義父から戦争体験談を聞いて変わった世界の見え方



本作「お義父さんが生きた戦時中の記憶」は、作者まげよさんが聞いた、義父の体験した戦争の話をもとに描かれている。この作品を描いたきっかけについてまげよさんに伺うと、「うちは歳の差婚で、お義父さん(マキオさん)は昭和1桁生まれです。義父母と同居するなかで、ちょいちょい『アレ!?なんか、歴史の教科書で聞いたことある単語!?(教育勅語など)』が会話のなかに混じっていたりして、『もしかしたら戦時中の話が聞けるのかな?』と思いました。生きた生の記憶をたくさんの人にも届けたいと思い、勢いで描き始めました」と教えてくれた。
マキオさんから聞いたなかで特に印象的だった話について伺うと、「B29が村に墜落した話です。それまでわりと子供目線で見るその時代の話で純粋な目線の体験談だったので…。あのお義父さんの口から【戦争犯罪】という言葉が出てきたので、驚きました」と身近な人の言葉で語られる戦争の話が衝撃的だったことが伺える。
義父から戦争の話を聞く前と聞いたあとで、戦争に対するイメージに変化があったか伺うと、「こうして生で体験者から話を聞くことで、『昔の人のやったこと』と教科書を擦ったような戦争のイメージだったのですが、それが『本当にあったごく最近の事実』と思うようになりました。ロシアとウクライナなど、本当に昔の日本と同じことが世界で起きていることに気づく日々です」と語り、リアルな体験談に触れることで、これまで自分とは遠いと思っていた出来事がぐっと身近に感じられるようになったのだという。
戦後80年を迎えたこのタイミングだからこそ読んでおきたい作品だ。
取材協力:まげよ(@mageyoozu)
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