日本テレビの「育成と発掘」はスターへの道に
日本テレビの番組は新人のスターを作ることに長けていると言います。人気番組『世界の果てまでイッテQ!』でもイモトアヤコさんやみやぞんさんなど、番組に出だした頃は当時無名の芸人さんでした。しかし、今やだれもが知る人気者です。現在も、出川ガールズや宮川ボーイズなど、知名度が未知数な若手タレントを抜擢し、次々とスターを生み出そうとしています。その上、『おもしろ荘』や『ダブルインパクト』『THE W』などの新人発掘的な賞レースも多く開催されています。
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なかでも、先日決勝進出が発表された『THE W』は、8組の決勝進出者のなかで初進出者が5組というフレッシュな顔ぶれでした。
実は昨年も決勝出場の12組中6組が初進出、一昨年も12組中6組……毎年5組は初進出者が出ている、決勝初出場比率の高い大会です。「本当に面白い女芸人を選ぶ」というより、スター芸人の原石を発掘する傾向の強い大会なのでしょう。
優勝特典の「日テレ番組出演権」で、『さんま御殿』『有吉の壁』『ヒルナンデス』などの出演が確約され、スターへの道を後押ししてくれます。これはバラエティ番組間での連携が強い傾向のある日本テレビだからこそ。こんなこと、他の局の賞レースではほぼあまりありません。
ある意味、日テレ独自の「タレントファースト」
ちなみに、先ごろ活動再開を発表したフワちゃんのブレイクのきっかけは、日テレの特番で結果を残したことだそう。(2020年放送テレビ東京系『あちこちオードリー』より本人談)彼女によると、「狙いは賞レースより日テレ」だといいます。
あながちそれは現実的で間違っていないことなのかもしれません。一度日テレ番組でブレイクしたタレントさん、――たとえば佐藤栞里さんや件の桐谷さんなど――は、今でも日テレの番組に愛されて、起用され続けています。日本テレビの「囲い込み」。それは、自前でスターを発掘し、育成し、様々な番組で生かすことのできる日テレならではの、実はタレントファーストなやり方なのかもしれません。
<文/小政りょう>
【小政りょう】
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦

