
右耳難聴や子宮内膜症など、自身の体験をコミカルな漫画で描くキクチさん(@kkc_ayn)。彼女の作品のなかでも、母親の自宅介護と看取りをテーマにしたコミックエッセイ『20代、親を看取る。』は、同じ経験を持つ人々や親の老いを感じる同世代から大きな反響を集めた。
■一人っ子が直面する親の老いと死



母を看取ってから2年後、キクチさんの父は病で倒れてしまう。母の介護経験から対応に落ち着きはあったものの、一人っ子として頼れる家族がいないなかで、さまざまな決断を迫られた。今回は、一人暮らしの父と連絡が取れなくなり、心配したキクチさんが実家へ向かう場面から物語は始まる。
■パートナーの言葉と、胸騒ぎ
胸騒ぎがして、夜9時半にパートナーと共に急いで実家へ向かうキクチさん。そのときの心境は、「タクシーの中ではパートナーがずっと励ましてくれて、ありがたかったです。『お義父さんって前も連絡とれないことあったし、携帯の通知に気づいてないだけだよ。何もなければ叱ってさ、すぐ帰ろう』と言ってくれた。タクシーの時間は本当に長く感じました」と振り返る。
■最悪よりちょっと手前くらい
タクシーで実家へ向かう道中、母のこともあり、「もし既に手遅れの状態だったら…」という想像が頭をよぎる。「最悪の事態を想像するとパニックになりそうだったので、考えないようにしました。『体調がひどく悪化してベッドで寝込んでいるだけかもしれない。だったらまずは無事だけ確認して、それで翌日にでもすぐに病院に連れていこう』と、“最悪よりちょっと手前くらい”までを想定していました」と、当時の心境を語った。
手に汗握る展開が訪れた『父が全裸で倒れてた。』。父の看護、延命治療への想い、つらい状況も淡々と、ときにクスリと笑える場面を挟みながら描くキクチさんの漫画を、今後も楽しみにしたい。
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