2025年9月、ファッション界にホットなニュースが舞い込んできました。ディレクター、デザイナーとして活躍してきた櫛部美佐子さんが、新ブランド【unbilanc(アンビラン)】を立ち上げたということで、お披露目会には数多くのメディア関係者が訪れ、デビューを祝福。今回は、【unbilanc】の春夏の新作が勢揃いしているサロンの全貌をご紹介しつつ、櫛部さんに新ブランドに対する思いを語っていただきました。
均整をとるのではなくその人らしさを活かせるブランドに
均整を意味するラテン語“Bilancia(ビランチャ)”が由来となり、その逆の意を表す“un(アン)”を添えたブランド名が【unbilanc(アンビラン)】。
「左右均等にバランスが取れた人はいないですよね。そのようなバランスをきれいに整えるのではなく、その人らしさを活かせるブランドになれたら、という思いを込めています」と語る櫛部さん。
【unbilanc】の新作が一堂に揃うサロン【unbilanc Ensemble Aoyama(アンビラン アンサンブル アオヤマ)】のエントランスでは、ブランドコンセプト“本物を知る成熟した大人へ”と、2026年春夏のテーマ“深淵”が表現されたイメージビジュアルがお出迎え。
長い年月を経て形作られた力強い岩場や美しい海を中心に撮影されています。
「人間の体の60%を占めている“水”は、ブランドを表現するうえで大切なキーワードになっています。海の水面はザワザワと流れが早く、深くなればなるほど静かになる。水面をトレンドとするならば、シーズンテーマにもなっている“深淵”は、それに左右されない場所。私は、ここで物作りがしたい、という思いをタグのデザインに託しています」
4本線のいちばん上が波打つ水面、深くなるにつれ穏やかなラインに。
ほかにも、ニットやカットソーには水がぎゅっとひしめいている様子を表している一本線のもの、インナー類にはロゴデザインのタグがつけられています。
ブランドスタート時に熟考した“ジャパンラグジュアリー”
ブランドコンセプトとともに、熟考したキーワードのひとつが“ジャパンラグジュアリー”。
「ファッション業界に携わってきて感じているのが、日本で生まれて、日本の文化で育った日本人の手から紡ぎ出される素材、縫製、技術は本当に優れているということ。【unbilanc】では、世界の素晴らしい生地も取り入れていきますが、より上質で、丁寧な物作りを追求することができる日本の機場を使わせていただき、受け継がれている伝統も絶やさないようにしたいと考えています」

