小学4年生の娘を育てるユズハさんは、隣町のダンススクールへ娘を通わせることに。そこで、ダンスの先生が娘と同じだというママ・カキエさん、モモさん、ミカさんの3人と知り合います。
モモさんとミカさんは思いやりや常識もあるいい人ですが、カキエさんは明らかに見下した態度で接してきて、いい印象はありません。とうとう我慢の限界を迎え、非常識な言動について迷惑だと伝えたユズハさん。しかし、迷惑な言動は相変わらず続き、無茶な要求を繰り返すように……。ユズハさんが要求を断ると「今後一切話しかけないで」と、カキエさんは激怒。
ユズハさんが、モモさんやミカさんにこれまでのことを打ち明けると、2人はビックリ。ミカさんが「やばい思考を持った人の子どもとは関わらせたくない」と言ったカキエさんの言葉を引用して「それならうちの子を関わらせたくない」と言うと、カキエさんは焦って謝罪の言葉を述べますが、そこに娘のチエちゃんが現れ「みっともない」と、カキエさんに詰め寄ったことで、いつの間にか親子げんかに発展してしまいます。
娘から送迎を拒絶され…。
ミカさんやモモさんに指摘されても、自分が悪いことを理解できていない様子のカキエさん。一連のやりとりはレッスン室にまで漏れ聞こえていたようで、カキエさんは娘のチエちゃんからも「普通にこわいんだけど!」と、その態度について非難されてしまいました。カキエさんは、チエちゃんに対して親への口のきき方を注意しながら、お父さんである夫にもこのことを言うと叱りました。すると……。
「私がすこし反抗すると、お父さんにって、そればっかり!」と、チエちゃんが反論。そして「自分よりも上だと感じる人にくっついて、自分も強くなった気になってない?」と続けます。その言葉を横で聞いていたユズハさんは、これまでのカキエさんの言動が理解できたような気がしました。
その後も、チエちゃんの怒りが収まる様子はなく「学校や習い事で恥をかくのは私なんだから、もっとおとなしくしてよ!」と、さらにヒートアップ。最後に、絶句しているカキエさんに対し「お父さんに言ってもいいよ」とひと言。チエちゃんは、自分が悪いことを言っているとは思えないため、もしお父さんに話をされたとしても、怒られるのはカキエさんのほうだと思うと言い放ちました。











「これからもダンスのクラスのみんなと仲良くしたいし、この教室にも通い続けたい」
チエちゃんの気持ちは固まっているようで、それがカキエさんのせいで叶わなくなるくらいなら「今後はひとりで通う」と言い出しました。まだ明るい時間とはいえ、さすがに女の子ひとりでは……と、カキエさんが困惑していると「それなら、うちの子と車で送ってあげるよ!」とモモさんが声をかけてくれて、チエちゃんも大喜びで話はまとまりました。カキエさんは、黙ってその様子を見ていることしかできず……。
そして迎えたレッスンの日。
送迎はモモさんがしてくれましたが、どうしても気になってしまい、スクールまで様子を見にきたカキエさん。そこで、他のママたちが「カキエさんのこれ見た?」「ああ、ネットの匿名掲示板のやつ?」とスマホを見せながら、コソコソ話す姿を目撃します。
早速、カキエさんも匿名掲示板を覗いてみると……。
『娘が通ってる教室にモンスター級激ヤバママがいる件www』と、自分の言動がネットで晒されていたのでした。
◇ ◇ ◇
チエちゃんは、カキエさんのせいで教室に通えなくなるんじゃないかと不安になり、「ひとりで通う」と決めたようです。これは、小学生の女の子にとっては、かなり思い切った決断だったと思います。モモさんが送迎を申し出てくれたのも、そんなチエちゃんの真剣な想いを汲み取ったからではないでしょうか。
しかし、カキエさんたちが思っている以上に、問題は大きくなっていたらしく、同じスクールに子どもを通わせる他のママたちだけではなく、不特定多数の目に触れる匿名掲示板に、一連の出来事について晒されてしまいました。
一体誰がそんなことをしたのかはわかりませんが、逆に言えば誰でもスマホひとつあればネットに匿名で晒せる時代です。一度ターゲットになってしまうと、大切な家族にも迷惑をかける事態になりかねません。普段から、自分の発言や行動には気をつけたいですね。
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著者:マンガ家・イラストレーター しろみ

