降水は北日本で多く西日本以南で少ない見込み
出典:気象庁「向こう3か月の天候の見通し全国 (12月~2月)」
以下は気象庁が2025年11月25日に発表した3か月予報をもとに、12月~2月の降水の特徴をまとめています。
期間を通して降水量は北日本と東日本の日本海側は平年並み~やや多く、東日本の太平洋側~西日本以南で平年より降水量が少ない傾向を示しています。
北日本と東日本の日本海側の降水量が多く予想されている理由は、温帯低気圧の影響を受けやすいためです。一方、東日本の太平洋側~西日本以南で平年より降水量が少ない理由は、温帯低気圧の影響を受けにくいためです。
そもそも冬の降水には大きく分けて以下の2パターンあります。
・温帯低気圧(南岸低気圧や日本海低気圧)による降水
・西高東低の気圧配置による降水
東日本の太平洋側~西日本以南は温帯低気圧の発生や接近が例年より少ないため、降水量も少なくなると見込まれています。
ただし、冬型の気圧配置に伴う降水が減るとは限りません。温帯低気圧の降水が減っても、強い西高東低の気圧配置時には、西日本~東日本の日本海側を中心に雪の量が増える可能性もあります。
特に雪に不慣れな西日本の平野部だと、数cmの積雪でも大規模な交通障害が発生しやすくなるため油断は禁物です。
防災のポイント
今冬は平年並みの気温であるものの、前半を中心に西高東低の気圧配置が強まり、西日本以南を中心に厳しい寒さや大雪の可能性があります。また、瀬戸内海や愛知県など日本海に面していないエリアでも、日本海から雪雲が流れ込んで大雪になる可能性があります。
特に年末年始は帰省や旅行などの移動が増加する時期となるため、冬の大雪災害に向けて以下を備えておきましょう。
・こまめに気象情報をチェックし、警報や注意報に注意する
・積雪地域ではスノーショベルなどの除雪道具を早めに準備する
・早めに冬用タイヤを装着し、チェーンも用意する
・飲料水、非常食、懐中電灯、携帯ラジオなど防災グッズを3日から1週間分備蓄する
・大雪が予想されている際には、不要不急の外出は控え、除雪や移動時は安全に注意する
天気予報やニュースで「強い寒波がやってくる」「大雪に注意」「急激に寒くなる」などの言葉を見聞きした場合は、他人事とせず早めに防災対策を行いましょう。
日頃からの準備と情報収集が、冬の災害リスクを軽減します。
<執筆者プロフィル>
田頭 孝志
防災アドバイザー/気象予報士
田頭気象予報士事務所。愛媛の気象予報士・防災士。不動産会社の会員向けの防災記事、釣り雑誌にコラムの連載・特集記事の執筆、BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。
