
事故やトラブルの証拠となる「ドライブレコーダー」。今や多くの車に搭載されているが、漫画家・ゆきたこーすけさん(@kosukeyukita)が宅配業者に勤めていたころ、全車一斉にドラレコが取り付けられることになった。
安全管理のためには必要な措置だが、ベテラン社員たちは「プライバシーの侵害だ!」と猛反対。その裏には、意外すぎる“本音”が隠されていた。今回はブログ『運び屋ゆきたの漫画な日常』から、ドラレコ導入をめぐる悲喜こもごもを紹介する。
■運転席も丸見え…「プライバシーがない」と怒るドライバーたち



ゆきたさんの勤めていた会社で導入されたドラレコは、車体の前後だけでなく、運転席側もモニターできるタイプだった。「運送会社において安全は全てに優先するもので、今の時代にドラレコがつくのは必然」と考えるゆきたさんに対し、現場のドライバーからは不満が噴出した。
「仕事だし仕方がないですが、ドライバーの立場からすると常に運転席がモニターされるというのは、少なくとも気分が良い物ではないと思います」とゆきたさんは語る。車内は休憩やお弁当を食べるプライベートな空間でもあるため、「プライバシーの侵害だよっ!」と憤慨する気持ちも理解できる。中には、怒ってカメラにシールを貼り、モニターに映らなくしてしまう強者もいたという(もちろん、後でこっぴどく怒られたそうだが)。
■猛反対の理由は「歌」と「鼻くそ」!?
しかし、反対派のドライバーたちの言い分をよく聞いてみると、予想外の言葉が飛び出した。「歌が歌えないじゃないか!?」「鼻くそほじれなくなった!」プライバシー侵害の具体的な理由が、「え、そこなの?」とツッコミたくなるものばかりだったのだ。一人の空間だと思って熱唱したり、リラックスしたりしていた姿が見られるのは、確かに耐えがたい恥ずかしさがある。
特に反対意見が強かったのは、ブログでもおなじみの名物キャラ・佐堀さんだ。夕方の配達をゆきたさんに押し付けたり、仮病で早退したりする常習犯の彼にとって、常に監視されるドラレコは天敵だったのかもしれない。「事故時のデータ記録や管理の意味もある」という会社の正論と、「鼻くそをほじりたい」というドライバーの切実(?)な本音がぶつかり合う、宅配業界の知られざる日常だ。
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