夫婦間の亀裂を生むのは小さなできごとの積み重ね
厚生労働省の「人口動態統計」によると、同居していた期間が20年以上で離婚に至った、いわゆる「熟年離婚」が増えています。例えば、1980年だと熟年離婚に該当する件数は約1万1,000件で、離婚全体に占める比率も7.7%程度でした。これが2023年では離婚全体に占める比率も23.5%にまで上昇しています。
もはや他人ごとではない「熟年離婚」。気づかないうちに夫婦間に入る亀裂を生むのは、毎日の小さなできごとの積み重ねです。私が主宰する恋人・夫婦仲相談所に訪れた多くの熟年離婚夫婦の日常からわかってきた、離婚する夫婦が「やっていないこと3つ」。
これをひも解いてみましょう。
その1:相手の目を見て話すことをしない
「夫婦の会話量」は夫婦仲を測るバロメーターの1つです。とくに用事もないのにグダグダと何時間もおしゃべりができるホットな恋人同士の関係からスタートし、夫婦の年月を重ねるうちに徐々に会話は減ってゆきます。馴れ合いにもなり、簡略化されてゆく夫婦の会話。
そのうちに、話しかけても「うん」とか「へえ」という短い相づち程度になります。それがさらに「知らない」「別に」のように突き放した返事になってくるころには、夫婦関係はだいぶ冷えてきています。そして最終形は話しかけても無視、無反応。ここまでくると熟年離婚に片足をつっこんだようなものです。
しかし、熟年世代になると夫婦仲の「冷え込み」は会話量だけでなく、別なところにも出てきます。それが「アイコンタクト」。
夫婦の会話はあるけれど、何だか冷たい雰囲気。そんな夫婦をよく見ると、「相手の目を見て話をしていない」という共通した特徴があります。例えば食事中に対面で座っていて、会話があるのに視線はお皿の上ばかり。あるいは新聞を読みながら適当に相づちを打つ。
何かほかの動作をしながら、宙に向かって話しているのが現状です。パートナーがあなたから視線をそらし、目を見ないで話を進める、返事をするようでしたら、危険信号点滅と思ったほうがよいでしょう。

