●「思った通りになるのが悔しかった」
複雑な過去を抱えながら、なぜ前向きに生きられているのか。女性はその理由をこう語る。
「家庭環境が悪いと、非行に走ったりしても『あの家庭の子じゃ仕方ないよね』って言われると思うんです。でも私はずっと、『周囲の思った通りになるのは絶対に嫌だ』と思ってきました。『どんな環境で育っても幸せに生きている人間もいるんだぞ』という証明になれたらって」
●「生きていないとやり直せない」
記者が女性に取材したきっかけは、弁護士ドットコムニュースが10月に配信した<“一緒にいてあげれなくてごめん”出産した我が子3人を押し入れに隠した女性…困窮の中、赤ちゃんポスト遠く>という記事だった。
子どもが虐待されたり殺害されたりするニュースに触れるたびに、女性は胸が痛くなるという。
「助けられなかったのかなって思うんです。生きていないと、やり直すこともできない。『命をつないでこそ』だと思います」

