PTSDの診断と治療

PTSDが疑われる場合は何科を受診すればよいですか?
PTSDが疑われる場合は、精神科または心療内科の受診が基本です。これらの診療科では、心の状態を丁寧に評価し、必要に応じて心理療法や薬物療法を組み合わせて治療を行います。特に、トラウマ治療やカウンセリングを専門とする医療機関では、PTSDに特化した治療(曝露療法・EMDRなど)を受けることができます。もし「精神科に行くのは少し抵抗がある」と感じる場合は、まずかかりつけ医に相談して紹介状をもらうのもよい方法です。また、地域の精神保健福祉センターや自治体の健康相談窓口でも無料で相談でき、専門医療機関の案内を受けられます。
病院で行われるPTSDの検査内容と診断基準を教えてください
精神科や心療内科では医師が詳しく症状を聞き取り、PTSDの診断基準に当てはまるか評価します。診断には米国精神医学会のDSM-5など国際基準が用いられ、トラウマとなる出来事の体験があり、それによる症状が1ヶ月以上続いて生活に支障をきたしている場合にPTSDと診断されます。診断を補助する質問票が使われることもありますが、客観的にわかる検査はなく、問診が中心です。
PTSDになったらどのように治療しますか?
PTSDと診断された後は、PTSDの治療を行います。PTSDの治療は心理療法と薬物療法が二本柱であり、そこに環境調整などの支援が必要です。
治療法 内容・ポイント
心理療法
・カウンセリングによってトラウマ体験に向き合うトラウマ焦点型心理療法が第一選択
・トラウマ焦点型心理療法には、下記の3つが推奨される
・安全な環境で恐怖の記憶を再体験する曝露療法(持続エクスポージャー)
・認知の歪みを修正する認知処理療法
・眼球運動で記憶の苦痛を和らげるEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)
薬物療法
・主に抗うつ薬(SSRI)が使用される
・必要に応じて抗不安薬や非定型抗精神病薬を併用
環境調整と支援
・トラウマの原因となる環境から離れる
・家族や周囲の理解・サポートが不可欠
・安心できる環境で治療を続けることで、時間とともに症状が改善
PTSDは、早期に適切な治療を受けることで回復が期待できる病気です。心理療法と薬物療法を組み合わせ、信頼できる専門家のもとで継続的に治療を行うことが重要です。焦らず、安心できる環境のなかで少しずつ回復を目指しましょう。
編集部まとめ

PTSDは、命の危機に直面するようなショック体験が引き金となり発症します。フラッシュバックや過剰な警戒心など辛い症状が続きますが、症状は苦しいものですが、決して本人の心が弱いせいで起こるのではありません。重要なのは、そのサインを見逃さず早めに対処することです。強いストレス症状が1ヶ月以上続く場合は我慢せず医師に相談しましょう。適切な治療と周囲の支えにより、PTSDの症状は改善し、トラウマを乗り越えていくことができます。つらい記憶に一人で悩まず、医師らとともに心のケアに取り組んでいきましょう。
参考文献
『PTSD』(こころの情報サイト)

