ボスママの本性の影
朝、ゴミ出しの時間、玄関先で不穏な物音がした。
「えっ…何してるんですか!」
ゴミステーションの近くにいた東城さんは、ためらいなく中村さんが出したゴミの中をのぞき込んでいた。その様子を見て、中村さんは何とも言えない表情を浮かべている。
東城「ちょっと中村さんち、お惣菜ばっかりじゃーん」
中村「ちょっと、やめてくださいよ」
すると東城さんはまた、私に話しかけた時のようにコソコソ声を作ってこう言った。
東城「ご主人とさ、うまくいってないとか?」
中村さんの顔色がみるみる青くなる。
中村「……そんなことないですよ!」
東城「あらごめんなさい、そういう噂を聞いたから本気にしちゃったわ」
東城さんは鼻で笑い、そのまま去っていった。残された中村さんは、呆然としていた。私は少し離れたところにいたけれど、急いで駆け寄った。
「大丈夫ですか…?」
「……どうしたらいいんでしょうね?あの人…」
私は声をかけることしかできない自分に、悔しさがこみ上げた。みんな普通に暮らしているように見えるこの街で、私たちは誰に見られているのかもわからない。ただ一つ、確かなことがある。東城さんは、ヤバい人だ。
(この街で、暮らしていけるのだろうか……?)
不安だけが、ゆっくりと心に沈んでいった―――。
あとがき:忍び寄るボスママの影
初めての街での生活は、誰にとっても不安がつきものです。そこで出会ったご近所さんが、もし“境界線のない人”だったら……?主人公・みのりにとって東城さんは、まさにそんな存在でした。
明らかに違和感があるのに、表面上は笑顔で近づいてくる。その恐ろしさは、静かに、しかし確実に生活へ浸食していきます。まだ序章にすぎませんが、引っ越し早々こんな人がいたら怖いですよね。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: tenkyu_writing
(配信元: ママリ)

