「縦隔腫瘍」の初期症状は“無症状”が多い? 見逃されやすい危険サインを医師に聞く

「縦隔腫瘍」の初期症状は“無症状”が多い? 見逃されやすい危険サインを医師に聞く

松本 学

監修医師:
松本 学(きだ呼吸器・リハビリクリニック)

兵庫医科大学医学部卒業 。専門は呼吸器外科・内科・呼吸器リハビリテーション科。現在は「きだ呼吸器・リハビリクリニック」院長。日本外科学会専門医。日本医師会認定産業医。

縦隔腫瘍の概要

縦隔腫瘍とは、左右の肺の間で胸の真ん中に当たる部分(縦隔)内に腫瘍ができる疾患です。良性だけでなく悪性のものもあり、年齢を問わず小児から高齢者まで発症する可能性があります。

縦隔には、心臓や心臓とつながる大血管、胸腺、気管、食道などが位置しています。縦隔腫瘍では、このうちいずれかの臓器に腫瘍が発生します。

縦隔は部位ごとに「上縦隔」「前縦隔」「中縦隔」「後縦隔」に分けられ、それぞれ以下のような腫瘍が発生することがあります。

上縦隔…「甲状腺腫瘍」「神経原性腫瘍」「悪性リンパ腫」「心膜のう胞」

前縦隔…「胸腺がん」「胸腺腫」「胸腺のう胞」「胚細胞性腫瘍」

中縦隔…「心膜のう胞」「悪性リンパ腫」

後縦隔…「神経原性腫瘍(神経鞘腫など)」「食道のう胞」「気管支のう胞」

最も発症頻度が高いのは胸腺腫で、縦隔腫瘍全体の約40%を占めます。次いで多いのが、のう胞、神経原性腫瘍であると報告されています。

縦隔腫瘍を発症していても無症状で経過することがあり、定期的に受診する健康診断で偶然発見されるケースもあります。しかし、悪性腫瘍の場合は、胸の圧迫感や痛み、息苦しさなどを自覚することもあります。

一部の良性腫瘍や悪性リンパ腫を除き、縦隔腫瘍の発症を認める場合は、外科的手術が第一選択として検討されます。(出典:一般社団法人日本呼吸器学会「縦隔腫瘍」)

縦隔腫瘍

縦隔腫瘍の原因

縦隔腫瘍の原因はそれぞれの腫瘍になって異なりますが、先天性のものや遺伝子異常によるもの、免疫系の仕組みによるものなどが考えられています。

配信元: Medical DOC

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