娘から聞いた“危うさ”
(多様性って…爪が伸びてたら他の子にケガをさせる可能性もあるのに…)
別の保護者が遠慮がちに手を挙げた。
「でも……優斗くんが体育のときにケガしたりしたら、危ないんじゃないですか?」
途端に、空気がピリッと凍る。鳴海さんの目が細くなり、睨むような視線が飛んだ。
「余計なお世話です。私が良いって言ってるのに、なんで他人が口出すんですか?」
その瞬間、教室の温度が一気に下がった気がした。坂上先生は必死に場を整えようとする。
「お話はわかりました。しかし安全の問題もあるので、持ち帰って個別にお返事させていただきますね」
鳴海さんは満足げに腕を組んだ。懇談会はその後も進んだが、もう内容が頭に入らない。
(なんか……いつか絶対トラブルになりそう……)
―――帰り道、私はただ胸を曇らせることしかできなかった。
あとがき:親の“こだわり”と学校との距離
懇談会での鳴海さんの言動は、学校と家庭の考え方の違いがそのまま表面化したものでした。安全を第一に考える先生と、“個性”を理由に主張を押し通そうとする保護者。どちらの感情も理解はできるものの、子どもたちの生活に支障が出るなら無視できません。
美羽の不安げな表情を見て、主人公は「このままでよいのか」と胸の奥がざわつき始めます。小さな違和感が、今後の大きな波乱の予兆になりそうな予感が漂う回でした。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: tenkyu_writing
(配信元: ママリ)

