流行語大賞は「働いて働いて」、労働弁護士は"滅私奉公メッセージ"に懸念「働き方改革に水差すな」

流行語大賞は「働いて働いて」、労働弁護士は"滅私奉公メッセージ"に懸念「働き方改革に水差すな」

● 首相の真意は「一般市民全体もたくさん働くべき」?

発言後、あくまでも首相ご自身の働き方に関してのみの発言だという擁護意見も出ました。ところが、首相は就任後、裁量労働制の拡大などを含む労働時間規制緩和を検討するよう、さっそく厚労大臣に指示しています。

つまり、首相の真意としては、ご自身のみならず、日本で労働する一般市民全体もたくさん働くべきとお考えであったということを意味します。

脳・心臓疾患の労災申請件数が高止まり状態にあり、精神障害の労災申請件数が毎年のように過去最高を記録するような状況の中で、安易に労働時間規制緩和を進めることは、労働者の生命と健康を危険にさらすことになることは間違いなく、直ちにやめるべきです。

【取材協力弁護士】
笠置 裕亮(かさぎ・ゆうすけ)弁護士
開成高校、東京大学法学部、東京大学法科大学院卒。日本労働弁護団常任幹事。民事・刑事・家事事件に加え、働く人の権利を守るための取り組みを行っている。共著に「こども労働法」「就活前に知っておきたいサクッとわかる労働法」(日本法令)、「新労働相談実践マニュアル」「働く人のための労働時間マニュアルVer.2」(日本労働弁護団)などの他、単著にて多数の論文を執筆。
事務所名:横浜法律事務所
事務所URL:https://yokohamalawoffice.com/

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