「全身性強皮症」の前兆をご存じですか? “指が白くなる”危険な理由を医師が解説

「全身性強皮症」の前兆をご存じですか? “指が白くなる”危険な理由を医師が解説

全身性強皮症の前兆や初期症状について

全身性強皮症は初期症状としてレイノー現象と呼ばれる症状が起こることが多くあります。
レイノー現象が起こると、冷たい物を触ったときに指先が真っ白もしくは紫色になったり、朝起きたときに手指がこわばったりします。
全身性強皮症のなかにはレイノー現象だけが十年以上続くケースもあります。

皮膚の硬化による手指のむくみや腫れから症状が始まるケースもあります。
手指は徐々に硬くなっていき、手背や前腕、二の腕、胸、お腹へと広がっていきます。
逆流性食道炎により胸焼けが起こることもあります。

全身性強皮症の検査・診断

全身性強皮症の診断は、皮膚だけでなくさまざまな臓器の検査も必要になります。
全身性強皮症のタイプや内臓病変の有無、進行度などを確認して治療方針を考えていきます。

皮膚や血管の検査

皮膚の17箇所の部位をつまんで、硬さを4段階の指標で表し、0〜51のスコアで皮膚の硬さの程度を評価します。
視診で手足の指の潰瘍や、陥凹性瘢痕(かんおうせいはんこん)の有無も確かめます。
爪の毛細血管の状態を顕微鏡で調べ、2本以上の爪に内出血が起きている場合は、全身性強皮症の可能性が高いと診断されます。

血液検査

血液検査で炎症状態や各臓器に関する項目、抗核抗体について調べます。
抗核抗体の検査では1種類の抗核抗体の陽性が判明することで、確定診断につながります。

肺線維症の検査

肺線維症の検査では、聴診や胸部のX線検査、CT検査、呼吸機能検査、経皮的動脈血酸素飽和度、6分間歩行試験、肺生検などをおこないます。
胸のX線検査やCT検査で、特異的な病変が認められた場合が確定診断になります。
肺線維症は徐々に進行する可能性があるため、診断後も定期的に検査して状態を追う必要があります。

その他の臓器の検査

心臓に対する心電図や心エコー検査、消化管に対する内視鏡検査や食道内圧検査、腹部X線検査、腎臓に対する尿検査などをおこないます。

配信元: Medical DOC

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