「くも膜下出血」を発症すると「目」にどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師解説】

「くも膜下出血」を発症すると「目」にどんな症状が現れるかご存知ですか?【医師解説】

すぐに病院へ行くべき「くも膜下出血の前兆」

ここまではくも膜下出血の前兆となる症状を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

瞳孔に異常な症状がある場合は、脳神経内科・脳神経外科へ

まぶたが突然完全に下がる(眼瞼下垂)、または左右の瞳孔の大きさが違う(瞳孔不同)という症状は、動脈瘤が破裂寸前の動眼神経を直接圧迫していることを示す、最も危険な目のサインです。また、激しい頭痛や意識の変化、呼吸の異常(いびきなど)を伴う場合は、生命に関わる危機的状況です。これらの症状がある場合は、一刻を争うため、迷わず119番通報を行い、迅速な診断・治療が可能な脳神経外科または脳神経内科のある専門病院へ搬送してもらいましょう 。

受診・予防の目安となる「くも膜下出血の前兆」のセルフチェック法

・これまでに経験したことのない頭痛症状がある場合
・一時的な目のかすみや、軽いめまいを感じる症状がある場合
・特に心当たりのない血圧の急激な上昇や低下が続く場合
・片側のまぶたが急に垂れ下がった、または左右の瞳孔の大きさが違う場合

くも膜下出血を予防する方法

くも膜下出血による目の症状は、脳内で既に深刻な事態が発生しているサインです。この病気を未然に防ぐことが、最も確実な予防策となります。

血圧の管理

くも膜下出血の最大の危険因子は高血圧です。高血圧を厳格にコントロールすることは、脳の血管に持続的にかかるストレスを軽減し、脳動脈瘤の発生や破裂のリスクを大幅に減らす効果があります。処方された降圧薬を指示通りに服用し、血圧を目標値に維持することが基本です。日頃から血圧を測定し、記録する習慣をつけましょう。

生活習慣病の管理

高血圧以外にも、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症)、不整脈(心房細動)といった生活習慣病は、血管の健康を損ない、脳卒中全体のリスクを高めます 。これらを適切に管理することは、くも膜下出血を含む脳卒中の複合リスクを低減する効果があります。 食事・生活習慣で気をつけるポイント: 各疾患について、専門医の指導に従い、治療を継続することが重要です 。

食生活の見直し

塩分や脂肪分の摂取を控えることは、高血圧や脂質異常症を予防・改善する基本的な効果があり、結果としてくも膜下出血のリスクを下げます 。 食事・生活習慣で気をつけるポイント: 「お食事の塩分・脂肪控えめに」を意識し、具体的には、塩分を減らした減塩食を徹底すること(過剰な漬物、汁物、加工食品の摂取を控えるなど)が推奨されます 。

禁煙(タバコをやめる)

喫煙習慣のある方はぜひ禁煙を検討してください。タバコはくも膜下出血発症リスクを2~3倍に高めるとのデータがあり、特に1日に吸う本数に関わらず喫煙者であるだけでリスクが有意に上昇します。ニコチンなどの有害物質が血管壁にダメージを与え、動脈瘤の形成と破裂を促進すると考えられています。禁煙することで、数年かけて脳卒中全般のリスクが非喫煙者と同じレベルまで下がるという報告もあります(脳卒中全体で見た場合)。どうしても自力で禁煙が難しい場合は、禁煙外来の受診やニコチンパッチ等の補助療法も活用しましょう。喫煙はくも膜下出血予防において避けるべき最大の危険因子です。

飲酒を控える

お酒の飲みすぎも注意が必要です。適度な飲酒であれば大きな問題ありませんが、大量の飲酒や一気飲みは血圧を急上昇させ、動脈瘤破裂の引き金になりえます。実際、「最近の多量の飲酒」がくも膜下出血の危険因子の一つとされています。
食事・生活習慣で気をつけるポイント: 予防のためには、深酒や酔いつぶれるような飲み方をしないことが肝心です。週あたりのアルコール摂取量を適切な範囲に収め、連日大量に飲まないようにしましょう。また、「飲んだ後に熱い風呂に入る」「飲酒後に激しい運動をする」など、急激に血圧を変動させる行為も避けてください。

配信元: Medical DOC

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