
timeleszの地上波初バラエティー番組「タイムレスマン」(毎週火曜深夜0:15-0:45、フジテレビほか/FOD・TVerにて配信)。深夜枠ながら回を重ねるごとに大きな反響を呼んできた同番組が、ついにゴールデンタイムへ進出する。
■番組初のSPは波乱必至の“東海道中・脱落旅”!
9月27日(土)夜9:00から全国ネットの“土曜プレミアム”枠で放送される番組初のスペシャルでは、メンバー全員で“伊勢神宮”を目指す壮大な“お伊勢参りツアー”を敢行!しかし今回はただの旅ではなく、途中で脱落者が出てしまう過酷ルール付き。努力と運で復活できるチャンスもあるという、波乱必至の“東海道中・脱落旅”だ。
そんな記念すべき特番の見どころや裏話を、初回から総合演出を手がける当麻晋三氏に直撃。メンバーの印象から制作の舞台裏まで、たっぷり語ってもらった。
■ゴールデン進出への思いと“脱落旅”の誕生
――ついに待望のGP枠でのスペシャル番組。まずは、制作にあたり意識した点から教えてください。
2時間の特番だとヒット企画を軸にするのが普通ですが、「タイムレスマン」に関しては、特番をやることが決まった時は、レギュラー放送が始まってまだ2カ月くらいしか経っていなかった。定番コーナーも少ないなかで、何をすれば観たいと思ってもらえるかを考えました。8人が旅に出るのは絵になるけど、それだけでは面白くない。だったら、目的地にたどり着けない人が出る脱落旅はどうだろうと。昔の「アメリカ横断ウルトラクイズ」のような感じですよね。あのノリが、非常に合いそうだなぁと。それをもとに、急ピッチでいろいろと準備していきました。
――メンバーからも、何かアイデアがあったのでしょうか。
それはないですね。というのも、旅に出ること自体、直前に伝えたんですよ。目的地が伊勢神宮だというのは本番で、佐野(瑞樹)アナの発表で知るという(笑)。そういえば、当日の朝(佐藤)勝利さんが、ものすごく不安そうな顔をしていたんですよね。早朝に集合して、夜遅くに終了というざっくりとしたスケジュールに加えて、台本にも「ゴールデンのスペシャルおめでとう。楽しく頑張りましょう!」としか書かれていないわけですから。何も知らない方が彼ららしいリアクションが出ると思ったんですけど、勝利さん的には「大丈夫かな」と思っていたんでしょうね。
――何も知らされないのをどう受け止めるか、メンバーの個性が出そうですね。
そうなんですよね。キャリアの長い勝利さんが「もっと中身を知っておきたい」と思う気持ちも分かりますし、猪俣(周杜)さんとかは「分かりました!OKです!」という感じで。タイプの違いが面白いですよね。共通しているのは、その仕組みを理解した瞬間に一気にエンジンがかかること。瞬発力のあるタイプばかりなので、基本的には彼らの素の反応を大事にしています。
■メンバー8人、それぞれの個性と成長
――レギュラー放送から約5カ月。視聴者にもバラエティー番組で見せる彼らの個性が分かってきたようなところもありますが、どんなところに成長を感じているか。1人ずつお願いできますか。
観ている人もそうだと思いますが、その成長に一番びっくりしたのが橋本将生さん。最初は、消極的なのか彼が斜に構えているだけなのか。それが分かりかねる部分がありましたが、それを投げてみたら大きく変わった。初めてのことばかりで彼も様子を見ていたところがあったのかもしれませんけど、(菊池)風磨さんが「全力でやるんだぞ」という背中を見せていたこともあって、一気にエンジンがかかったんですよね。どこまで伸びるのか楽しみです。
収録後に一番気にしていろいろ言ってくるのは、原(嘉孝)さん。「問題ないから、もっとポジティブに」と伝えていますが、意外と繊細で面白いですね。周囲も明るい原さんが好きなので、迷ったら明るくいけばいいと。裏では「『タイムレスマン』のザキヤマ(アンタッチャブル・山崎弘也)さんみたいなイメージでやってほしい」と話しています。火がついたときの勢いは、誰にも負けないですから。正解を探して迷う姿は、今の新メンバーの象徴かもしれません。
――寺西拓人さん、猪俣周杜さん、篠塚大輝さんには、どんな印象がありますか。
篠塚さんは、橋本さんと同じくらい驚きました。この間まで大学生だったのに、こんなに面白いのかと。最初はボソボソと小声でツッコミを入れていたんですよね。それにディレクター陣が気付いて「しのって面白いよ」と。だんだんと打ち解けてきたのか、今はビシッとツッコミを入れるようになりましたけど、本当にお笑いが好きだし、貪欲ですよね。ちょっと末恐ろしいです(笑)。
猪俣さんに関しては、皆さんが受けている印象とまったく同じ。2人きりで打ち合わせしたのは、初回放送の「私物を持ってきてください」という嘘企画のときだけですが、その受け答えで「あ、彼はこのままでいいな」と。もう天才!逆に言うと、普段何を考えているか一番よく分からないけど、どんな球も打ってくれる。「こうしてください」とお願いするより、彼は彼のままが一番面白いと思っています。
そんななかで言うと、寺西さんはまだちょっとつかみきれていないところがありますね。本人も「面白くしたい」という気持ちが強く、それを模索しているように見えます。ポスター撮影のとき、彼だけちょっと反応が悪かったんですよ。「もっとかっこいいのがいい」って。彼はどうやっても男前じゃないですか。それが崩れるところが意外と面白いんですよね。あえて崩そうとは思いませんが、自然体のままのびのびやってほしいなと。もっと面白くしたいという貪欲さは、すごくうれしいです。
――佐藤さん、菊池さん、松島(聡)さんは、どうでしょうか。これまで経験からの底力を感じた点などはありますか。
やっぱり勝利さんはお笑いが好きですよね。普段はお兄ちゃんのように見守ったり、茶々を入れたりしていますけど、自分にスポットライトが当たって、パッとボールを渡されたときの反射神経がすごい。しょんぼりしたり、打ち返したり。いろんな方法で、その場の正解を出すんですよね。
松島さんも、天才肌で爆発力が抜群。松島さんがのったときは誰にも止められないですね。英語ロケも彼が引っ張ったからこそ成功したし、欠かせないキーマンです。スペシャルが放送される当日には「相葉◎×部」(毎週土曜昼4:30-5:00、フジテレビほか)にも出演して、前哨戦を盛り上げてくれているので、あわせて観てもらえたらうれしいです。
風磨さんは、最初にお会いしたときから覚悟が別格でした。「何でも教えてください」というスタンスで、すでにスターなのにすごいなぁと。常にボケたり、つっこんだり、場を回したり。盛り上げるためには何でもする、というとてつもないプロ意識を感じます。もっとギアを入れないと風磨さんに置いていかれる、という感覚が番組スタッフ中に漂ったことがあるんですよ。年下ながら、学ぶことが多いです。
■“男子校の休み時間”がそのままスペシャルへ!
――総合演出を担う立場から見て、timeleszというグループ全体の強みをどこに感じていますか。
月並みっぽい言葉になってしまうかもしれないですけど、一言でいえば“男子校の休み時間”のような8人。歌番組などでは違う顔を見せるかもしれませんが、「タイムレスマン」では収録中も休憩中も常に同じ空気感。それが最大の強みで、僕も大好きになった部分です。
番組としては多彩な面を引き出そうと芝居企画なども試しましたが、芝居の企画は風磨さんに「もう二度とやりたくない」と言われまして(笑)。結局、初めての企画やゲームに挑むときのリアクションが一番輝くんですよね。風磨さんを筆頭に「これはなんだ!?」と驚きながら臨む姿が面白い。
FODの特典映像も、彼らがわいわい楽しむ場にしようと演出ゼロで臨んだら、それがとんでもなく跳ねるという(笑)。あと、誰か1人にスポットが当たり続けるのではなく、「今日はテラがいじられていた」「勝利くんがしょんぼりしていた」など自然にスターが生まれるのも珍しいなと。こっちが何もしなくてもどんどん面白くなる。木梨憲武さんの現場以来のポテンシャルだと思います(笑)。
――そんなtimeleszの皆さんが全力で挑む初のスペシャル番組。注目の見どころを教えてください。
「まさかこの人が脱落?」という意外性はもちろん、その逆の展開もあって。予想のつかない展開がやっぱり見どころですね。あと、誰かがいなくなると、最初は「あいつがいない方が快適」なんて冗談も出ますが、やがて寂しさが漂ってくるんですよ。脱落者の復活をかけた頑張りにも注目していただきたいです。あと、本当に分刻みで移動していたので寝ぐせが直ってなかったりして(笑)。その一方で、新幹線を貸し切ったり、リムジンやクルーザーに乗ったり。「これがゴールデンか!」という喜びのあとに、誰かが脱落するという落差も面白いと思います。さらに番組ラストには、ビッグゲストも登場します。最後まで楽しんで観てください!
■取材・文=吉田光枝

