
ある日、クレジットカードから身に覚えのない10万円の引き落としが。「カード詐欺にあった!」と大騒ぎして明細を確認すると、実は夫が秘密で買った「釣り具」の代金だったことが発覚する。 妻に相談もなく大金をつぎ込み、週末は家族よりも「釣り」を優先する夫。その行動の果てに待っていた結末とは?今回は、辰ノたむさん(@tatsuno_tamu)の漫画『“家族より趣味”の夫と決別した先に見えた家族の形』を紹介するとともに、制作の裏側を聞いた。



■家族旅行に「釣り具」を持ち込み、娘の発表会は欠席
主人公はしっかり者の妻・裕香と、子煩悩だったはずの夫・隆志。はじめは家族みんなで楽しんでいた「釣り」だが、いつしか夫一人でのめり込むようになっていった。 「趣味を楽しむくらいいいよね」と容認していた妻だが、夫は週末のたびに不在。とうとう娘が「明日パパお休みなのに、またお家にいないの?」と寂しそうに呟くようになる。
事態打開のため妻は家族旅行を計画するが、夫は車にこっそりと釣り具を積み込み、旅行中に一人で抜け出して隣町の釣りスポットへ。さらには相談もなく釣り具に10万円を使い込むなど、行動はエスカレートしていく。 決定的だったのは、前から予定を空けるように言っていた娘のダンス発表会をすっぽかしたことだった。
■「父親でいることが重荷だった」真面目な夫の崩壊
離婚を視野に入れて話し合うことになった二人。そこで夫の口から出たのは、予想外の言葉だった。 「夫であり、父親でいることが重荷だった」 子煩悩で物わかりのいい夫に見えていたが、実は“よき夫・よき父”であろうとするプレッシャーに押しつぶされ、逃げ場所として趣味に依存していたのだ。結果、夫婦は「離婚」という道を選ぶ。
本作について、作者の辰ノたむさんは「友人の実体験を漫画化しました」と語る。「夫は決して責任感がないわけではなく、自分なりに真っ直ぐ家族に向き合っていたんだということが伝わるように気を付けました」 読者からは夫への厳しい意見が多かった一方で、男性読者からは「もし少しの歯車が狂っていたら、私も隆志のようになっていたかもしれない」という共感の声も寄せられたという。
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