過去に起こった辛い記憶を思い出して嫌な気持ちになる…普通に生活していてもよくあります。これもフラッシュバックです。
しかし、外傷体験に関連した記憶が生々しく思い出され、精神や肉体に不調がでてしまうようなフラッシュバックは別物となっています。
過去に恐ろしかったり辛かったりしたことを思い出してしまうのは、本当に辛いものです。
今回はフラッシュバックの治療・改善策についてお話していきます。
※この記事はメディカルドックにて『「フラッシュバック」とは?対処法・症状・何科を受診するべきか解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
稲川 優多(医師)
自治医科大学勤務。医学博士、公認心理師。日本精神神経学会精神科専門医・指導医・認知症診療医、日本老年精神医学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医、精神保健指定医。
フラッシュバックの治療方法や改善策

フラッシュバックの治療方法はあるのですか?
フラッシュバックは症状を起こしている精神疾患に対処をしなければいけません。そのため治療方法はさまざまです。医師の診察やカウンセリングでフラッシュバックを起こしてしまうきっかけを明らかにします。
PTSDの改善には、トラウマにさらされる状態から、日常の安全を確保する環境調整が必要です。PTSDの治療で代表的なものは、認知行動療法です。専門的なトレーニングを受けた医師や心理療法士のもとで、トラウマと向き合うことで記憶と恐怖の関係を切り離していくことで、症状が緩和されていく持続エクスポージャー療法は認知行動療法でも効果が高いとされています。
眼球を動かすことでトラウマの記憶の処理を促すEMDRという治療も効果が高いです。また、患者さんの状態によっては抗うつ薬などの薬物を使った治療も行います。
フラッシュバックを起こさないための改善策を教えてください。
フラッシュバックが起きないようにするためには、リラックスできる状態を作るように普段から意識をしておくことが大切です。
また、フラッシュバックが起きやすい状況を理解しておきましょう。状況を理解しておくことで、フラッシュバックへの対処もしやすくなります。トラウマとなる内容を考えない時間を増やしてみても良いです。
ただ、忘れようとすればするほど辛くなる方もいます。この場合は浮かんできたトラウマを無理に押し込むのではなく、自分の気持ちを書きだす・信頼できる方に思いをきいてもらうなど表に吐き出してみましょう。トラウマを考える暇もないほど趣味を満喫したり運動をしたりするのもおすすめです。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
思い出したくないのに過去に体験した恐怖が、鮮明に思い出されてしまうフラッシュバック。
精神的なトラウマが原因で起こる症状ですが、精神的に弱いから起こっているわけではありません。
フラッシュバックは誰もが経験する可能性のある症状です。PTSDの症状にもあるなど、うつや不安障害など他の精神疾患が同時に起こっているケースも少なくありません。適切な治療を受けることで症状改善の希望が持てます。
フラッシュバックが辛い方は、自分だけで抱え込まずに、精神科や心療内科を受診してみてください。家族など周りの理解を得ておくことも重要です。
編集部まとめ

自然災害や事件・事故などのトラウマが原因で起こるフラッシュバックは、悪化すると日常生活に支障をきたす可能性があります。
精神科や心療内科への通院に抵抗感のある方もいますが、精神疾患への専門的な知識や治療を考えてくれるためひとりで抱え込むより改善の可能性が高いです。
フラッシュバックの症状が重い方・1ヶ月以上繰り返しフラッシュバックが起こる方は、早めに専門医を受診して適切に対処をしていきましょう。
参考文献
フラッシュバックを克服する方法|障害者.com
心的外傷後ストレス障害 (PTSD)|MSDマニュアル家庭版

