【学生がやってみた防災】駄菓子で笑顔に!鬼怒川決壊の教訓から学ぶ子ども向け非常食

【学生がやってみた防災】駄菓子で笑顔に!鬼怒川決壊の教訓から学ぶ子ども向け非常食

関東・東北豪雨。10年前の体験談から

2015年9月に発生した関東・東北豪雨から10年。私の住む茨城県常総市は豪雨による鬼怒川の堤防決壊により、そのほとんどが浸水しました。自宅も床上30cmの浸水被害を受け、避難生活を余儀なくされた当時の記憶は、今でも強く残っています。スマホのライブ中継のニュースで自分の住んでいる町が濁流に呑み込まれていく映像は忘れることができません。

避難所での生活の中で私が一番不満だったのは食事でした。スマホやラジオの充電が優先で、ガスに関しても屋内ではもちろん、外は雨だったため火を起こすこともできずお湯も沸かせません。そんな状況で食べられるものといえば非常食として用意していた乾パンと水のみ。父が事前に用意してくれていた非常食です。カップラーメンなどもありましたが、お湯が沸かせない状況では食べることができませんでした。しかしながら、当時小学生であった私たち兄弟にとって乾パンは味も食感も受け付けず、「食べたくない」と文句ばかりでした。

なぜ水と乾パンがおいしくないと感じたのか

私には下に2人弟がおり、避難した当時は私が小学4年生、次男が小学2年生、三男が幼稚園年長でした。避難先では3人とも乾パンを食べていましたが共通して「おいしくない」と文句ばかり。三男に至っては食べることをやめてしまうほどでした。実際私も、食べるものが乾パンしかない状況だったために食べていただけで、美味しいと思って食べていたわけではありませんでした。

なぜそう感じてしまったのか。当時を振り返るとやはり「味」と「食感」だと感じます。水も乾パンも共通してほぼ無味であり、子どもにとって味のないものは食べていて苦しいものです。乾パンは硬めでぱさぱさしており、口のなかの水分が持っていかれてしまいます。これでは三男のように噛む力が弱く、口も小さい子どもにとっては、食べることすら難しいものになってしまいます。

今回、大学で防災企画を立てることになり、大学生3人で子どもが食べやすく、かつ美味しい非常食を提案することにしました。災害に遭った子どもの身になって話し合った結果、「駄菓子」を使った料理を作れば、災害時でも喜んで食べられるのではないかと考えました。

魚肉のすり身をシート状にして揚げた「BIGカツ」は、本物のカツに味がよく似ているため、私たちが子どものころによく食べた駄菓子の定番でした。そこで、このBIGカツをパンに挟めば、「なんちゃってカツサンド」が作れるのではないかと考えました。

次に、安くて子どもに人気がある駄菓子「うまい棒」で定番の「コーンポタージュ」味を使った料理ができないか考えました。最後は小学生の時よく食べていたフルーチェを選びました。コーンポタージュもフルーチェも「牛乳」が必要ですが、災害時には、生ものの保存が難しいため、代わりに保存期間が長い「豆乳」を使用しました。

3人が練りに練った「子どものための非常食レシピ」を以下に紹介していきたいと思います。

配信元: 防災ニッポン