バルナバ・ダ・モデナ『バーリの聖ニコラス』, Public domain, via Wikimedia Commons.
サンタクロースの起源は?“庶民の味方”聖ニコラス
バルナバ・ダ・モデナ『バーリの聖ニコラス』, Public domain, via Wikimedia Commons.
サンタクロースの起源は、聖ニコラスという「聖人」です。聖人とは、存命中にキリスト教の教えを完全に実行し、神と人々のために生きた人々のことです。聖ニコラスも、生前に行った多くの善行から、死後聖人のひとりとなりました。
ニコラスは、271年から343年頃に生きたとされる人物で、現在のトルコにあったパタラという町で生まれました。
当時、パタラは大帝国ローマの一部でしたが、不安定な政治情勢などの困難に脅かされていました。特に、それまでのローマの神々を信仰する宗教と、新しい信仰であったキリスト教との間に緊張が高まっていたのです。
そのような時代の中で、若いキリスト教徒の夫婦の間に生まれたのが、ニコラスでした。
ニコラスという名前には「庶民の勝利者」の意味が込められており、彼の両親は、彼が大人になった時に庶民の味方になれるような高潔な人物になってほしいと願ったのです。
やがて、早くに両親と死別してしまったニコラスは、生まれ育ったパタラから出て、旅を続けました。そしてミラ(ミュラとも)という町で司教となり、その名の通り、多くの市民たちを助けました。
サンタクロースはなぜプレゼントを配るの?
ピエトロ・デ・ピエトリ『バーリの聖ニコラスが3人の子どもを目覚めさせる』, Public domain, via Wikimedia Commons.
貧しい人や困難に見舞われている人々、そして子どもたちに常に心を寄せていたニコラスは、「子どもの守護の聖人」として知られています。
ニコラスが聖人となってから、ヨーロッパでは12月6日の「聖ニコラス祭」(ニコラスの命日)に、子どもたちへのプレゼントを贈る習わしが始まりました。
さらに18世紀には、聖ニコラスの伝説が北米に移住したオランダ人に伝えられるようになりました。この伝説は次第にアメリカ全土に広がっていき、「クリスマスにサンタクロースがプレゼントを贈る」という習慣へと変化を遂げました。
ところで、どうして聖ニコラスが「サンタクロース」と呼ばれるようになったのでしょうか。有力な説としては、オランダ語の「ジンタークラース(聖ニコラス)」が転じて「サンタクロース」になったと考えられています。
クリスマスに「世界中の子どもたちにプレゼントを配る」というサンタクロースのイメージは、ニコラスの善行から生まれたのです。
