実はトルコ人?サンタクロースの歴史を美術作品解説。クリスマスの起源やプレゼントの由来も

ニコラスの善行が生んだクリスマスの伝説

アンブロージオ・ロレンツェッティ『聖ニコラスの生涯の風景』, Public domain, via Wikimedia Commons.

聖ニコラスにはさまざまな伝説が残されており、中には現在のサンタクロースにも通じる出来事も存在しています。

これは、ニコラスがまだ生きていた頃の話です。

あるところに、ひとりの男がいました。彼には結婚適齢期の娘が3人いましたが、当時の慣習では、花嫁となる女性は多額の持参金を用意しなければなりませんでした。

しかし、男の家は貧困に苦しんでいたため、娘たちに持参金を準備できなかったのです。結婚できない娘たちには、奴隷として働くか、身を売るかという悲しい未来が待ち受けていました。

その話を聞いたニコラスは、夜中にこっそりとその男の家へとやってきました。そして金の入った袋を靴下に入れ、そのまま静かに去って行ったのです。ニコラスのおかげで、3人の娘たちは無事に結婚したのでした。

1319年から1348年にかけて制作された4つのパネル『聖ニコラスの生涯の風景』(アンブロージオ・ロレンツェッティ)の1枚目には、ニコラスが3人の娘たちのために金貨を投げ入れる姿が描かれています。

この伝説から、クリスマスには枕元に靴下をかけておく風習が生まれました。

サンタクロースが北欧に住むことになった理由

ローズ・セシル・オニール『When We All Believe』, Public domain, via Wikimedia Commons.

サンタクロースの住む場所と言えば、北欧にあるフィンランドが知られています。しかし、トルコの司教であったはずの聖ニコラスが、なぜ現在フィンランドに住んでいるのでしょうか。

1920年頃、アメリカにサンタクロースの伝説が広まった時には、その故郷は北極であるとされていました。これが転じて、サンタクロースの故郷は北極圏にあるフィンランドのラップランドだと考えられるようになったのです。

1927年にはフィンランド公営放送局が、ラップランド東部の「コルヴァトゥントゥリア」という山をサンタクロースの正式な住居としました。

北欧には数々の妖精が住むと言われており、たくさんの昔話に登場する存在でした。このような妖精たちは、おもちゃや飾り物を作る才能に優れています。そこで、サンタクロースは彼らに仕事の手伝いを頼みたいと考え、フィンランドのラップランドを選んだという説があります。

配信元: イロハニアート

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