イコンにまつわる聖ニコラスの伝説
作者不明『聖ニコラスのイコン』, Public domain, via Wikimedia Commons.
イコンと聖ニコラスについては、興味深い伝説が残されています。
ある時、テオファヌスという男が、夢の中でお告げを聞きました。それは偉大な聖人の姿を描いたイコンを3枚描かせ、地区の大司教に差し上げなさいという内容でした。
そこでテオファヌスは、イエス・キリスト、聖母マリア、そして聖ニコラスの3枚のイコンを画家に制作させ、大司教へ献上しました。しかし大司教は、キリストと聖母マリアの絵だけを受け取り、ニコラスの絵は受け取りませんでした。大司教は聖ニコラスを偉大な存在ではないと考えていたのです。
その後、大司教は船旅の際、遭難しそうになります。そこへ聖ニコラスが現れ、嵐の中から大司教を助け出してくれました。
大司教は考えを改め、聖ニコラスのために教会を建てました。以来、聖ニコラスは優れた聖人のひとりとして知られるようになったのです。
まとめ
困っている人々を助けた聖ニコラスは、1700年という長い時間を経てもなお、世界中で愛され続けています。
中世の荘厳なイコンに描かれた聖ニコラスと、現代の親しみやすいサンタクロースは一見別人のようです。しかし「誰かを幸せにしたい」という根本的な願いは、変わることなく受け継がれていることがわかりますね。
サンタクロースの起源や変化の歴史、そして聖ニコラスをモチーフにした美しい絵画やイコンを知ることで、今まで以上に神聖な気持ちでクリスマスを迎えられるかもしれません。
参考文献:
『サンタクロース物語 歴史と伝説』著:ジョゼフ・A・マカラー、訳:伊藤はるみ(原書房)

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