心不全は一度発症すると完治が難しい病気ですが、予防に取り組むことで進行や再発を防ぐことができます。近年注目されている「心臓リハビリテーション」は、運動療法だけでなく、食事・生活習慣の改善やストレスケアまでを含む総合的なプログラムです。今回は、心臓リハビリテーションの効果について、飯田先生に解説していただきました。

監修医師:
飯田 圭(飯田医院)
日本大学医学部卒業。その後、国立循環器病研究センター心臓血管内科レジデントとして勤務、日本大学医学部内科学系循環器内科学分野准教授などを務める。2007年、埼玉県ふじみ野市に位置する「飯田医院」の副院長に就任。日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心臓リハビリテーション学会指導士、日本医師会認定健康スポーツ医。
編集部
心不全は治らない病気なのですね。
飯田先生
そうですね。しかし、心不全は「予防」することができます。特に先述した心筋梗塞や狭心症、高血圧、さらに糖尿病などは心不全発症のリスクが高いので、積極的に心不全予防に取り組んでいただきたいと思います。
編集部
心不全予防とは、具体的に何をすればいいのでしょうか?
飯田先生
ここ数年で、心臓リハビリテーションが大きく取り上げられています。リハビリテーションと聞くと、手足の運動機能に対するトレーニングなどを思い浮かべることが多いかもしれませんが、心臓リハビリテーションは、心臓そのものを鍛えるのではありません。体力や血管機能を向上させることで心臓への負担を減らし、心疾患の悪化や再発を防ぐことを目的とした治療プログラムです。
編集部
つまり、運動をするということでしょうか?
飯田先生
もちろん運動療法も大事ですが、心臓リハビリテーションのプログラムはそれだけではありません。運動療法に加えて、食事などの生活習慣の改善やストレスマネジメントなども含まれます。これらの総合的なアプローチによって、様々な効果があるという研究結果がこれまでに数多く示されています。
編集部
具体的には、どのような効果があるのですか?
飯田先生
体力や筋力が向上することで、息切れなどの症状が軽くなり、楽に動けるようになるだけでなく、「血管が広がりやすくなり、血液の循環が良くなる」「自律神経の働きが良くなり、不整脈の再発予防につながる」などが報告されています。さらには、「インスリンの効きが良くなり、血糖値(糖尿病)が改善された」「精神面でも自信がつくことで、不安やうつ状態が改善された」などの報告も上がっています。
※この記事はメディカルドックにて【「心不全」は治らない? 原因・症状は? 知っておきたい予防法も医師が解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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