フレイルチェストの前兆や初期症状について
フレイルチェストは主に外傷などの急性の原因で発症するため、前兆というものはありません。発症直後から見られる症状としては、呼吸困難や胸部痛が挙げられます。また、奇異呼吸や皮下気腫なども見られることがあります。
血痰(けったん)が見られる場合は、肺挫傷などを併発している可能性が高く、チアノーゼ(顔色や肌が紫色に変色)を呈しているときは低酸素血症が疑われ、どちらもより緊急の治療が必要になります。
呼吸困難
フレイルチェストでは、強い痛みのため、正常な呼吸が難しくなります。肺挫傷などを併発している場合を含め、重症の場合は呼吸困難となります。
呼吸困難を放置すると、呼吸不全により低酸素血症などの重篤なリスクがあります。
比較的軽症の場合でも、痛みや奇異呼吸により呼吸が浅くなりがちです。結果として肺の換気量が低下して、無気肺や肺炎などにつながるリスクがあります。
胸部痛
フレイルチェストにおける胸部痛は、主に多発骨折によるもので、非常に強いです。また、痛みは発症後の呼吸や動作によって悪化する可能性があります。
奇異呼吸
フレイルチェストにおける奇異呼吸は、肋骨が複数箇所で骨折し、胸郭が不安定になることで発生する異常な呼吸の動きです。
具体的には、骨折により支持を失った胸壁の一部(骨格・筋肉・皮膚などからなり、フレイルセグメントと呼ばれます)が、他の胸郭と逆方向に動きます。すなわち、息を吸うと胸郭は外側に膨らむのに対し、フレイルセグメントだけが内側にへこみ、息を吐くと今度はフレイルセグメントだけが外側へ膨らんで飛び出したように見えます。
奇異呼吸はフレイルチェストを特徴づける症状ですが、自発呼吸が困難なほどの重症、もしくは極めて浅い呼吸になっているケースでは、奇異呼吸を目で見て確認できないことがあります。
皮下気腫
肺や気道が損傷されることで、空気が肺から漏れ出し、皮膚の下に溜まる状態を皮下気腫と言います。皮下気腫自体は通常、生命を脅かすものではありませんが、重度な肺損傷や気胸などを合併している場合には早期の治療が必要です。
フレイルチェストの検査・診断
診断には、画像検査(レントゲンやCT検査)が行われます。
また、呼吸状態をチェックするため、血中酸素濃度検査も実施されます。
画像検査
レントゲンやCT検査を通じて、肋骨や骨折の損傷の程度を確認します。特に肋骨の骨折部位の特定や、胸郭の不安定な部分(フレイルセグメント)について詳しく調べます。
血中酸素濃度検査
酸素の取り込みが不十分になっていないかを検査します。呼吸管理の方針を決めるうえで、重要な検査です。

