腸閉塞の開腹手術

腸閉塞の開腹手術の概要を教えてください
開腹手術とは、文字どおりお腹を大きく切り開いて行う従来型の手術です。腸閉塞の開腹手術では、一般的にみぞおちから下腹部にかけて縦に切開してお腹の中にアクセスします。直接手で腸を触れながら全体を確認し、閉塞の原因となっている箇所を探し出して処置します。処置の内容自体は先に述べた癒着剥離や腸管切除、バイパスなどで、開腹手術でも腹腔鏡手術でも最終的にやること(癒着をはがす、腸を切るなど)は基本的に同じです。違いはアプローチ方法で、開腹手術では広い視野で直接臓器を見渡せるため、複雑な病態にも対応しやすいという利点があります。
腸閉塞の開腹手術にはどのようなリスクや合併症がありますか?
開腹手術は侵襲が大きいため、腹腔鏡手術と比べていくつか注意すべきリスク・合併症があります。主なものを挙げます。
傷に関する合併症
癒着のリスク
全身への影響(術後麻痺性イレウス含む)
腸閉塞の開腹手術が選択されるケースを教えてください
腹腔鏡手術の項でも触れましたが、以下のようなケースでは開腹手術が選択される、あるいは結果的に開腹になることが多いです。
重度の癒着や複雑な病態の場合
緊急を要する場合
腹腔鏡設備や技術が不十分な場合
腸閉塞の術後経過

腸閉塞の手術後はどのように回復していきますか?
術後しばらくは腸が手術の影響で動きが鈍くなっているため、絶食して胃腸を休めます。手術翌日から数日は点滴で水分や栄養を補いながら、徐々に腸の動きが戻ってくるのを待ちます。お腹の手術後は腸が目覚めるまで通常2~3日かかり、まずお腹の中のガスが動き出してオナラが出るようになります。医師や看護師は聴診器で腸の音(蠕動音)が聞こえるか確認したり、患者さんにオナラや便の有無を尋ねたりして腸の目覚めをチェックします。腸管が再び動き出せば、少量の水やおもゆ(薄いおかゆ)から食事再開となります。食事は流動食→軟らかい食事→普通食と、一段階ずつ進めていきます。これは、いきなり普通の食事をとって消化管に負担がかかると、また腸閉塞を起こしたり吐いてしまったりするおそれがあるためです。段階を踏むことで腸に慣らしていきます。順調なら手術から5日前後で軟食や全粥といったほぼ通常に近い食事が取れるようになります。固形物もしっかり消化でき、排便も問題なければ退院の許可が出ます。
腸閉塞手術の入院期間を教えてください
入院期間は、手術の内容や患者さんの回復具合によって大きく変わりますが、目安をお伝えします。一般的に、腸閉塞で保存的治療のみの場合は入院約1週間、手術治療を行う場合は入院2〜3週間程度になることが多いです。腹腔鏡なら短く、開腹なら長めになりがちです。入院中は焦らず治療とリハビリに専念し、退院のタイミングは医師と相談して決めましょう。普通のご飯が食べられるようになったら退院が一つの目安になります。
腸閉塞の手術後に再発することはありますか?
結論からいうと、腸閉塞は手術後に再発してしまう可能性があります。特に、腸閉塞の原因が術後癒着である場合、手術でいったん癒着をはがしても新たな癒着がまた生じてしまい、今後再発ゼロとは言い切れません。しかしながら、手術を行うことで再発リスクは大きく減少するともいわれています。

