ガス壊疽の治療
ガス壊疽の治療では、進行を抑えるために抗菌薬を投与しながらデブリードマンの処置が迅速におこなわれます。患肢の切断や高圧酸素療法が適用されることもあります。
デブリードマン
デブリードマンとは、壊死している筋肉組織を取り除き、他の組織への感染の進行を防ぐ処置のことです。場合によっては複数回の処置が必要になることもあります。
壊死組織の除去により抗菌薬の効果を高め、患肢の温存や多臓器への進行予防につなげます。
抗菌薬の投与
ペニシリンやクリンダマイシンなどの抗菌薬を点滴により大量に投与します。
抗菌薬の選択は培養結果にもとづいて調整されます。
デブリードマンの処置と併用され、高用量で継続的におこないながら感染の進行を抑制します。
患肢の切断
デブリードマンや抗菌薬の投与をおこなっても症状が進行する場合は、患肢を切断します。
患肢の切断の目的は他臓器や全身への感染拡大を防ぎ、生命を守ることです。
切断後は適切なリハビリテーションと義肢の使用が重要で、生活の質を維持するための長期的なケアが必要になります。
高圧酸素療法
高圧酸素療法とは正常よりも高い気圧環境で高濃度の酸素を吸入させ、病態の改善を図る治療です。体内に高濃度の酸素を取り込ませることで、菌の増殖を抑え、毒素の産生を減少させます。他の治療法と併用しておこなうことが多く、ガス壊疽の進行を抑制し、組織の回復を促します。
ガス壊疽になりやすい人・予防の方法
ガス壊疽になりやすい人は糖尿病やアテローム性動脈硬化症、大腸がん、肝硬変などの基礎疾患がある人や免疫機能が低下している人です。
特に災害時ではストレスや不十分な栄養摂取により免疫機能が低下し、衛生状態も悪化するため、小さな怪我がガス壊疽発症のきっかけになる可能性が高まります。
予防のために、土や泥を触るときは怪我をしないように軍手などを装着しましょう。
万が一怪我をした場合は、傷口を清潔な水で十分に洗い流すことが大切です。
傷口に痛みや腫れ、膿などが現れたときは、速やかに医療機関を受診し、適切な処置を受けてください。
関連する病気
蜂窩織炎皮膚感染症
糖尿病アテローム性動脈硬化症
大腸癌
肝硬変参考文献
日本救急医学会ガス壊疽
日本細菌学会ガス壊疽筋群
日本皮膚科学会ガイドライン創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン(2023)―3糖尿病性皮膚潰瘍・壊疽診療ガイドライン(第 3 版)
モタンメディアガス壊疽の病理
NIID国立感染症研究所ウエルシュ菌感染症とは

