【職場ハラスメントの実態調査】約6割がパワハラを経験、8割超が「上司・経営層」からの加害と回答!

ウェブギフトが運営する「オフィスギフト」はこのほど、退職につながるハラスメントの実態に関するアンケート調査を実施しました。

会社を辞めた人の選択肢は「退職」か「我慢」だけ?

近年では、パワハラやセクハラをはじめとする、職場で起きるさまざまなハラスメントに対して、企業での対策も少しずつ進んできました。

それでも現場レベルに目を向けると、「辞める」という選択にまで追い込まれるケースは今も残っています。

数字では見えない人たちの声が、まだ埋もれているのかもしれません。

そこで、ハラスメントが原因で退職した、あるいは退職を考えるほど追い詰められた200名に焦点を当てアンケート調査をご紹介します。

どのような行為が退職を決断する引き金となったのか、職場の誰から受けたのか、そして会社側の対応はどうだったのか——。回答には、今も職場で起きているリアルな経験が率直に語られています。

その実態をひとつずつたどりながら、退職を決断せざるを得なかった「決定的な要因」を探ります。

退職を決意させたのはパワハラが最多──次にモラハラが続く構図に

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(N=200、単一回答。2025年11月14日〜2025年11月17日に実施したインターネットでのアンケート調査による)

まずは、被害に遭ったハラスメントの種類から見ていきます。

今回の調査では、退職や退職の検討につながったハラスメントとして「パワハラ」が最も多く、全体の6割近くを占めました。

次いで「モラハラ」が約3割となり、この2つが大半を占めています。

一方で「セクハラ」や「マタハラ・パタハラ」、「カスハラ」などは少数で、回答全体を通じても限定的でした。

具体的にどのようなハラスメント行為があったのでしょうか。

妊娠や子育てにもっと配慮してほしかった
・「子どもがいるため、会社の制度を利用して育児短時間制度を使って働かせてもらっていたが、『正社員なのになぜ時短勤務なんだ』と、上司に言われてすごく嫌な気持ちになり、前の会社を辞めた。」(30代女性)
・「妊娠中につわりがひどい私に『病気じゃないから我慢して』『他のスタッフは流産してでも仕事を優先している』と言ってプレッシャーをかけてきました。」(40代女性)

怒鳴りやきつい言葉に追い詰められた
・「上司から日常的に『仕事ができない』『君は使えない』といった人格を否定するような発言を受け、ミスをしていない場面でも大声で叱責されることが続きました。会議中や同僚の前でも叱られることが多く、精神的に追い詰められ、最終的に体調を崩して退職を決意しました。」(30代女性)
・「事あるごとに先輩から『お前を雇ってくれるのは、ここの会社しかないものな』と言われたり、『バカやろう』と怒鳴られたりするなどしていました。」(30代女性)

セクハラ発言などで強い不快感を覚えた
・「『もう少し胸があれば芸能人の誰々に似てるね』『今日は髪の毛アップにしたの? セクシーだね』『今日トイレの回数多いね生理?』など不快な言動を毎日のように言われて疲れてしまいました。氷河期世代の私にとって、新卒当時何十社も受けてやっと手に入れた正社員の座でしたので、非常に悔しい気持ちでした。」(40代女性)
・「海外出張に行った際、弊社私ひとり(女)、顧客5人(男性)の食事の席で新品の下着をストックしているのか、など性的な質問を投げかけられた。」(40代女性)

長時間労働や押しつけられた仕事で疲弊した
・「土日休みなしの最大19連勤とかあって、過労で体を壊したので休みを普通に取れる部署への配置転換を申請したら、一方的に休職するよう言われた。休職したら収入がなくなって仕事にならないので、事実上退職に追い込まれた。」(50代女性)
・「雑務を私に押し付けてみんな何も言わずに帰ってしまうので、後片付けや清算がたくさん残っていて帰るに帰れない状況になりました。そして、長時間労働、過重労働でうつ病になり退職を余儀なくされました。」(40代男性)

無視や不公平な対応で孤立感を抱いた
・「挨拶をしても無視される。わからないことがあれば聞くように指示されていながら質問すると答えてくれず、結果誤ると叱責を受ける。」(30代男性)
・「以前の職場の上司にモラハラとパワハラをされました。ことあるごとに雇うんじゃなかったとか言われたり、シフトを急に変えられたり、無視されたりしました。」(20代女性)

個々の事情への配慮不足にとどまらず、人格を否定するような言動や理不尽な扱いが横行している実態が浮かび上がりました。

育児や妊娠への理解欠如に加え、怒鳴り声による威圧、性的な嫌がらせ、あるいは無視や過重労働の押し付けなど、多岐にわたるハラスメントが被害者を精神的に追い詰めています。

続いて、こうした行為の加害者は誰だったのかを確認しました。

加害者の立場を知ると、当事者が置かれた状況の重さがより見えてきます。

配信元: マイナビ子育て

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