愛媛の里山が育む至高の味「新宮茶」とは?

愛媛県四国中央市新宮町は、四国山地に囲まれた標高の高い山間地に位置しています。この地域は、茶づくりに最適な昼夜の寒暖差と清らかな空気に恵まれ、香り豊かで力強い味わいの「新宮茶」を育んでいます。
特に、その芳醇な香りは「香り日本一」と評され、山峡ならではの上品な香りとしっかりとした滋味が、全国のお茶愛好家から高く評価されています。

この新宮茶の歴史を牽引してきたのが、昭和29年(1954年)にいち早くヤブキタ種を導入した「脇製茶」です。脇製茶は、栽培から製造、販売までを一貫して行う新宮茶のパイオニアとして、地域と共に歩み続けています。
脇製茶のこだわり:自然との共生と伝統技術
脇製茶の「新宮茶」づくりは、環境への配慮と伝統技術に裏打ちされています。このこだわりこそが、力強く上品な味わいを支える礎となっています。
1. 栽培期間中農薬不使用の安心な茶づくり
脇製茶は、昭和58年(1983年)から、山間地特有の利点を活かした「天敵利用」による自然な生態系の回復に取り組み、栽培期間中の農薬不使用を徹底しています。
農薬に頼らず、クモやてんとう虫などの害虫の天敵を利用し、さらに山で刈り取った草を有機肥料として敷き詰めることで、自然の力を最大限に活かした、人にも環境にも優しいお茶づくりを実践しています。
2. 伝統の「手もみ技法」を活かした製茶
脇製茶では、伝統的な手もみ技法を現代の機械製茶に取り入れています。毎年、新茶の製造前には必ず手もみを行い、その感覚を通じて茶師の**茶心(ちゃしん)**を取り戻してから機械での製茶を始めるという徹底ぶり。これにより、山のお茶ならではの力強い風味を引き出しています。
