そして店内に広がった「素敵な輪」
大学生たちとおばあちゃんのやり取りを固唾を飲むように見守っていた店内のお客さんもホッとひと息つき、再び笑顔と心地良いザワつきが戻りました。「周りのお客さんから『あのおばあちゃん、いいこと言うね。お陰で助かったね』などの声が聞こえてきて。私も思わず『自分だったらとてもじゃないけどあんな風にみんなの注目を浴びながら他人に注意なんてできないし、本当におばあちゃんに感謝だよね』と、心の中で勝手に会話に混ざってしまいましたよ」
そして美加子さんがパフェの残りを食べていると、先ほどおばあちゃんに謝罪した大学生がポツリと「俺、元カノに謝ろうかな……」と言ったのが聞こえてきたそう。「その瞬間、『うわ、おばあちゃんの言葉がめちゃくちゃ響いているじゃん! 可愛すぎる!』とキュンとしてしまい、つい『元カノとまた仲良くなれるといいね』とお節介なことを思ってしまったんですよね」と微笑む美加子さんなのでした。
<文・イラスト/鈴木詩子>
【鈴木詩子】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop

