軽度認知障害の前兆や初期症状について
軽度認知障害では、記憶力の低下が多くのケースでみられます。具体的には、次のような症状が現れることがあります。
最近の出来事を思い出せない
予定や約束を忘れてしまう
外出や人付き合いに興味がなくなる
忘れ物や探し物の頻度が多くなる
ただし、このような症状が現れている場合でも、家事や買い物など日常生活には支障をきたしていない可能性があります。
症状を放っておくことで認知症に進行する恐れがあります。そのため、家族や友人など周囲の人に症状を指摘された場合は、速やかに精神科や心療内科などの診療科がある医療機関を受診することが重要です。
軽度認知障害の検査・診断
軽度認知障害を疑う場合は、まず問診を行い、患者本人や家族から日常生活の様子や認知機能の変化についての情報を集めます。
次に、認知機能を評価するための標準的なスクリーニング検査を実施します。この中には、記憶力や注意力、言語能力、計算能力などを測るテストが含まれます。
スクリーニング検査 ポイント
長谷川式認知症スケール
(HDS-R:Hasegawa Dementia Scale-Revised)
・年齢、見当識、3単語の即時記銘と遅延再生、計算、数字の逆唱、物品記銘、言語流暢性の9項目からなる検査。
・30点満点で、20点以下が認知症疑い。
ミニメンタルステート検査
(MMSE:Mini Mental State Examination)
・時間や場所の見当識、3単語の即時再生と遅延再生、計算、物品呼称、文章復唱、3段階の口頭命令、書字命令、文章書字、図形模写の11項目から構成される検査。
・30点満点で23点以下が認知症疑い、27点以下は軽度認知障害疑い。
モカテスト
(MoCA:Montreal Cognitive Assessment)
・視空間、遂行機能、命名、記憶、注意力、復唱、語想起、抽象概念、遅延再生、見当識の9項目からなる検査。
・30点満点で25点以下が軽度認知障害の疑い。
・MoCAはMMSEよりも糖尿病患者の認知機能障害を見出せる。
また、MRIやCTなどの画像検査によって脳の萎縮や障害がないかを確認します。さらに、血液検査によってビタミン欠乏や甲状腺機能の低下など、認知機能に影響を与えていないかなどを調べることもあります。
これらの検査結果を総合的に判断し、軽度認知障害の診断をおこないます。

