インフルエンザによる関節痛への対処法

インフルエンザの関節痛は解熱剤でやわらぎますか?
インフルエンザで起こる関節痛は、発熱と炎症反応によって全身の神経が刺激されることで生じます。体温が高い状態では炎症性の物質が多く分泌されるため、解熱剤によって体温が下がると痛みもやわらぐことが多いです。アセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬は、発熱と関節痛の両方に効果があります。市販薬を使う場合は、添付文書を確認し、決められた量と間隔を守るようにします。
解熱剤を飲んでも痛みがおさまらないときの対処法を教えてください
薬を服用しても痛みが続くときは、まず身体を休ませ、十分な睡眠をとることが大切です。炎症が残っているあいだは、動かすことで関節に負担がかかり、痛みが強まることがあります。室温を一定に保ち、身体を冷やさないようにしながら、水分をこまめにとって脱水を防ぎます。薬を追加で飲んだり、ほかの種類を重ねて服用したりすると副作用の原因になるため避けましょう。痛みが強い場合や、数日たっても改善しない場合は、医療機関で薬の種類や用量を見直してもらいましょう。
インフルエンザによる関節痛で病院に行った方がよいのはどのようなときですか?
関節の痛みが1週間以上続く、特定の関節が腫れる、熱をもっているといった場合は、インフルエンザ以外の関節炎が関係している可能性があります。発熱が続く、身体を動かせないほど痛む、水分がとれない、息苦しさがある場合も、合併症のサインとなることがあります。そのようなときは、自己判断せず早めに医療機関を受診しましょう。特に高齢の方や持病のある方は、ウイルス感染をきっかけに別の病気を併発することがあります。気になる症状が続くときは、無理せず医療機関で相談しましょう。
病院ではインフルエンザによる関節痛に対してどのような治療を行いますか?
医療機関では、症状の程度や発症からの期間を確認し、必要に応じて抗インフルエンザ薬を使用します。発症初期に治療を始めると、ウイルスの増殖を抑えて症状の期間を短縮できることがあります。関節痛が強い場合は、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を適切な量で処方し、痛みと炎症を抑えます。
編集部まとめ

インフルエンザの関節痛は、ウイルスに対する免疫反応で起こる一時的な症状です。多くは発熱と同じ時期に強く感じられ、数日から1週間ほどで自然に軽くなります。回復を早めるには、十分な睡眠と安静を保ち、水分をこまめにとって脱水を防ぐことが大切です。室温と湿度を適度に保ち、身体を冷やさないようにしましょう。痛みがつらいときはアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬を使うと楽になります。症状が長引く、関節が腫れる、熱をもつなどの変化がある場合は、早めに医療機関で相談してください。
参考文献
『Signs and Symptoms of Flu』(Centers for Disease Control and Prevention)
『Time Lines of Infection and Disease in Human Influenza: A Review of Volunteer Challenge Studies』(American Journal of Epidemiology)
『Mechanisms of Symptoms of Common Cold and Flu』(Common Cold)
『Pain related viral infections: a literature review』(The Egyptian Journal of Neurology, Psychiatry and Neurosurgery)

